ローアングルで、狙うはパンツのみ…犯罪スレスレの撮影方法です
「ローアングラー」 とは、コスプレイヤー や 秋葉原 などでの 「路上ライブ」 のパフォーマー、あるいはモーターショーやサーキット場でのイベントコンパニオンやレースクィーンなどを対象とした人物撮影で、ミニスカート などの女の子を過度な 「ローアングル」 で撮影するカメラマン、カメコ (カメラ小僧) を指し示す俗称の1つです。
足を長く見せるなどの効果もあるローアングル
元々ローアングルという言葉自体は、カメラや撮影の世界では撮影技術の一つとして 普通に 使われる言葉です。
人物写真の場合、下から見上げる (仰角) ように撮影するのは 「煽り」 などとも呼ばれ、独特の迫力があったり、撮影対象の頭や胴が小さく、足や頭身が長くスラリとして見える画面効果が得られるなど、被写体をかっこよく撮影するための かなりポピュラーな撮影テクニックのひとつです。
一般的に男性が立ったままカメラを構えると、モデルが女性の場合は身長の関係でカメラのレンズ位置が女性の頭上 (俯瞰) になってしまい、至近距離からの全身やそれに近い構図でしかも広角ですと 「頭や顔が大きく写る」「足が短く写る」 など、良いことがあまりありません (バストアップアングルなどで極端に寄れる場合には、目や胸を大きく見せるメリットもありますが)。
またきちんとした撮影会ならともかく、大勢で特定被写体を取り囲むような撮影の場合、被写体に最も近い最前列のカメラマンが立ったままでいると、後ろの人は撮影できなくなってしまいます。 そこで後ろのカメラマンの邪魔にならないよう、先頭は膝をつく形でしゃがむのがひとつのマナーのような感じにもなっています (場所やケースにもよります)。
「レイヤー」 さん自体もそうした効果は分かっている場合が多く、仲のよい友達同士での撮影では、そこまでやるか…ってなぐらいのローアングル撮影を交代で行っているケースなども、一部の イベント や撮影会では見かけるものです。 被写体のポーズや撮影意図、機材にもよりますが、基本的には仰角・望遠で撮る方が人物撮影の場合は被写体がかっこよく、かつ背景をぼかして美しく写せることが多いでしょう。
ローアングラーのレンズがひたすら狙うはパンツ、その一点のみ
ところが 「ローアングラー」 と呼ばれるような人たちが行うローアングル撮影は、もうほとんどそういった撮影セオリーとは無関係で、とにかくスカートの中を覗く、パンツ の 盗撮 をするかのような撮影となっていますね。
カメラのファインダーを覗くこともなく、とにかくカメラのレンズを近距離で地面スレスレ、あるいは女性の下半身にモロに近づけたり、場合によってはスカートの中にカメラを入れたりと、モデルとなる女性のほとんどが不快に感じ (中には好んでローアングル撮影を路上で行う変な人もいますが)、撮影している風景も傍目から見て異常だったりして、嫌われる傾向にありますね。
女性だけでなく、男性の真面目なカメコにも嫌われるローアングラー
コミケ のコスプレ広場などでは、たとえモデルさんとなるコスプレイヤーさんが了解していても、そのような撮影は風紀上の観点から禁止ですし、一部のクローズドな撮影会でのみ、許される撮影方法だと云えそうです。
なお、紙袋の中にカメラを仕込んで、それとなく女性のスカートの下に滑り込ませて撮影などという場合は、もはやローアングラーですらなく、単なる盗撮です (ローアングラーの意味も含んで、昔はアクションカメラ術などとも呼ばれていました)。 こちらは完全な犯罪ですが、大勢で一人の女性を取り囲んでの撮影でも、どさくさにまぎれて後ろからローアングルで狙うようなものも立派な盗撮、犯罪行為といえます。
女性が訴え出れば普通に警察に捕まりますから、しないようにしましょう。
秋葉原のホコ天で、過激なパフォーマンスが問題に
2008年5月、秋葉原の歩行者天国では、 路上パフォーマンス禁止の見回りが |
その後2008年6月8日発生の無差別殺人 事件を発端に、ホコ天は35年間で初の中止に |
2011年1月23日、秋葉原歩行者天国が 厳戒態勢の中で2年半ぶりに再開 |
見回りも一段と厳しく |
2008年4月25日に、秋葉原の歩行者天国で意図的に下半身の下着を見せていた、自称グラビアアイドルの31歳女性が逮捕。 その際に 「女性パフォーマーの下半身に群がるローアングラー」 的な趣旨での報道が相次ぎました。
駅前やホコ天での メイド さんの チラシ 配りやショップの コスプレイベント は90年代からありましたが、一般人が コスプレ などをして練り歩くのがとても目立つようになったのは、2002年〜2003年頃からだと思います。 その後 「電車男」 のブームや メイド喫茶 の人気、萌え の一般メディアへの 露出 などにより、2006年から2007年にかけて秋葉原ホコ天が加熱。
時として羽目を外しすぎたパフォーマンス振りには眉をひそめる向きも多かったようですが、一般人から見た時の、大きな一眼レフカメラを構えるカメコの撮影風景の異様さ、ましてやそれがローアングラーとあっては、世間の目もなかなか厳しいようです。
実際のローアングラーは、一眼レフカメラと云うよりコンパクトカメラ (コンデジ) を使う人の場合が多いのですが (地面スレスレの撮影は、大型の一眼レフカメラなどではちょっと難しいです)、黒山の人だかり状態で個々人の機材などが判別しづらい上に、こういったことに興味のない人、通りすがりにチラリと見る程度の人にはカメラの区別もつきません。
路上パフォーマンス禁止、ホコ天中止、そして再開…
その後ホコ天では、警察や地元商店街のボランティアなどにより、「路上パフォーマンス禁止」 の監視活動が始まるようになりましたが (直後に通り魔事件でホコテンは休止)、まぁこれだけ加熱すると、ある程度は仕方ないのかな…なんて思ったりもします。
ホコテンとは云え公道の一部を占拠してのパフォーマンスはマナー的にどうかという話もありますが、色々な人が集まり、また活気もあって、結構楽しかったんですけどね。
その後、2011年1月23日になり、およそ2年半ぶりにホコ天は再開。 住友不動産秋葉原ビル (ベルサール秋葉原) で晴れやかなオープニングセレモニーも行われましたが、利用ルール徹底のため、警察官や地元商店街のボランティアはじめ、数多くの監視要員を配置しての、厳戒態勢での再開となりました。
パフォーマンスや路上販売、自転車の乗車通行などは禁止で、「歩くだけ」 との内容ですが、元から大騒ぎするような場所ではない訳ですし、マナーを守り以前のような活気がもどると良いですね。