自作パソコンからショップ製パソコン、BTO へ…
「BTO」 とは、「Build To Order」 すなわち注文によって組み上げる、オーダーメイド、もしくはセミオーダーメイドの製品、その販売形態のことです。
自動車やパソコンなどでよく見られる発注生産方式で、うち おたく三種の神器 とも呼ばれるパソコン (PC) では、hp (Hewlett-Packard) や DELL などの格安パソコンオーダーメイド、あるいは九十九電気 (eMachines/ Gateway) や 秋葉原 のパソコンショップが展開する格安ショップブランドパソコンなどが有名です。
筆者の eMachines の BTO パソコン |
実際の注文の仕方は、基本となるベーシックな組み合わせに、CPU やマザーボード、グラフィックボードやメモリ、HDD の容量などのグレードを上げたり下げたりしながら価格と自分が欲しい性能とのバランスを組んで頼むことになります。
通販などもありますが、店で詳しいスタッフに相談しながら買うと失敗も少なく良いかと思います。
NEC PC-98 時代から、DOS/V パソコン時代へ…
元々パソコンは、日本では NEC のパーソナルコンピュータ PC-98 シリーズと、その互換機、及び Macintosh が シェア を実質的にほぼ独占している時代がありました。 その後海外より DOS/V パソコンが上陸。
BTO で eMachines、Gateway を扱うツクモ 店員さんに好き者が多いと定評があります |
当初は異ハード間に互換性がありませんでしたが、国産パソコンに比べ圧倒的に安価で拡張性の高い DOS/V 機はパーツの種類も多く自作にうってつけで、Windows の普及と共に互換性も保たれるようになり、PC-98 シリーズも DOS/V 機に路線を変更。
以降は 「買うだけの高額なメーカー製パソコン」 と、「安価だけど動作保障がなく自作の技術も必要なパソコン」 の2極分化しました。
その後、高性能低価格高サポートで人気を得た Gateway を先鞭に、その中間を埋めるような形で増えたのが hp や DELL、eMachines などの格安 BTO パソコンでした。
とりわけ世界の市場を席巻した hp や DELL は、既存メーカー製どころか自作機よりも安い価格で 「そこそこの性能」 を提供するようになり、多くの企業が一括大量購入するようになり、一般ユーザにも ネット での通販をはじめ、大手パソコンショップと組んでショップブランドパソコンとしても販売するようになりました。
メリットが減りリスクだけは変わらず…完全自作機は消え行く運命なのか…
秋葉原などの専門ショップでは、高いスキルと商品知識、パーツ類の大量購入により、これらとはまた違った本格的な BTO パソコンを販売しているお店もあります。 ほとんど無数のパーツ類から好きなものを予算別に選べ、パーツごとの互換チェックもしてもらえ、納品前には耐久試験もしてくれます。 価格は hp や DELL、九十九電気など大手量販店に比べるとやや割高ですが、NEC や 富士通などのメーカー製にくらべるとはるかに安価で、さらに余計なソフト類も入っていません。
筆者 は PC-98 → 自作機 → この手のお店の BTO とパソコン調達先を切り替えていますが、高性能が自作よりも安く安心に手に入るって点で、お勧めは信頼できるパソコンショップの BTO って感じですか。 安いだけでなく、3D ゲームとかビデオ編集に特化したような超高性能パソコンでも、費用をかければ世界最速 レベル のものが手に入るのが魅力です。
格安のノートパソコンの BTO 化なども
なおデスクトップパソコンに比べ、この手の商品が出てくるのが遅かったり数が少なかったりするのがノートパソコンですが、これらも近年様々なものが発売されています。 ただこの手のオールインワン系のパソコンは、まだメーカー製のほうに一日の長があるイメージですね。 hp のノートを知人用に購入してセットアップしたことがありますが、「重い」「バッテリー持たない」 の2重苦でした。
性能はそれほど遜色がなく、また価格は圧倒的に安かったのですが、ノートの場合は持ち運ぶ重量とバッテリーの持ち時間はある意味もっとも重要な性能のひとつですから、ちょっと自分で使おうとは思いませんで
痛PC、痛パソコンなどというものも…
パソコンは中古となると価値がほとんどなくなるものですが、それでもメーカー製パソコンでそこそこ新しいものは、それなりの値段で引き取ってくれたり、オークションで売れたりするようです。 しかし BTO パソコンは元々が安価なこともあり、買い換えようとすると、古いパソコンは、ほぼ二束三文になってしまう場合が多いですね。
それでは…と、ボディなんかにアニメ キャラ を描いたり、PCケースの 色 を塗り替えるなどの 「痛いパソコン」「痛PC」 への改造なども捨てる前の最後のお化粧として行う人が多いようです。