そろそろ電源落とします… 「73&88」
「73&88」 とは、さようなら、バイバイといったお別れの際に使う挨拶です。 おたく の副業として非常にポピュラーだったアマチュア無線 (ハム) で使われる文字コードで、73 は 「Best Regards」 を意味して男性に対して使う別れの挨拶、88 は 「Love&Kisses」 を意味して女性に対して使う別れの挨拶となります。
アマチュア無線、とりわけモールス信号を使った通信では、いつも使う定型文を少ない文字数で表すため、歴史的に定められた様々な略語や符合があり、多くは数文字のアルファベットや数字で表されます。 例えば代表的な略符合に救難信号として知られる 「SOS」 があります。 また 「CQ」 も比較的よく知られたものかも知れません。 これは 「全局一括呼び出し」 の符合で、アマチュア無線においては自分 (自局) が発した通信電波に対して通信可能な相手 (無線局) は誰でも返信できます・交信しましょうとの意味で使われます。 これは一般に CQ呼出し、符合はQ符合と呼ばれ、この他交信することは QSO、送信中止は QRT、混信を指すなら QRM といった具合に整理されています。
アマ無線ではこれら様々な略語や略符合を組み合わせて交信を行いますが、その最後に行うのが 「交信ありがとう」「さようなら、またいつか」 との感謝とお別れを告げるこの 「73&88」 であり、相手の性別が分からないことも多いので、男性向け女性向けを組み合わせた略号となっています。
何かと使い勝手が良いので、わかる人との対面の会話や電話で、これらの符合を口にして使うことはよくありました。 「73&88」 はもちろん、「599」(電波も強く良好です)、「OM」(Old Man/ ベテラン・古参・目上や先輩)、「YL」(Young Lady/ 若い女性) などはよく見かけるものです。 電話を切る時に 「QRT」 なんてのもある種の お約束 みたいな部分もありました。 1990年代あたりからの、ネットスラング を分かってる者同士が日常会話で使うような感覚ですね。 (笑) を 「かっこわらい」 と話すみたいなものです。
「8888」 の場合は…
ちなみに数字の文字列と云えば 「8888」 が良く知られていますが、これはアマ無線などとは全く関係がなく、単に拍手のパチパチパチ… をあらわすネットスラングとなります。 一方で 「4ね」(死ね) とか 「56す」(殺す) といった物騒な文字列をあらわす 伏せ字 もあります。
ネットスラングやゲーム用語、ローマ字略語 などには無線などとの文化的な連続性がありそうなものも存在しますが、なるべく短い言葉や文字列で 概念 を伝えるのは言葉や文字の本質的な部分でもあるので、似ている部分、そうでない部分などをあれこれ考えると面白かったりもしますね。