作家としての活動を停止…筆を折る、「断筆」
「断筆」 とは、生業・本業・趣味・娯楽を問わず、何らかの著作・著述活動を行っている作家、同人作家、絵師 などが、その活動を全面的に停止すること、文筆活動をやめ、新しい作品の制作を以降行わなくなることです。 小説や ライトノベル、マンガ など、創作の カテゴリ や ジャンル は問いません。
同様の意味で、「筆を断つ」「筆を折る」「筆を捨てる」 などと呼ぶこともあります。
断筆の理由とは
作家が自ら断筆するのには、様々な理由があります。 自分の作家としての才能、力量に見切りをつけ、その世界での活動を諦めるケースもあれば、何らかの抗議 (例えば表現規制や好ましからざる社会情勢に対する怒りの表明) で行うもの、自らの作品が及ぼした悪影響や作品の過ちを認めて謝罪や自省の意味で行うケースもあります。
また単に年齢的に文筆活動が難しくなった 病気 や健康状態の極度の悪化などにより、活動を諦めるケースもあります。
いずれの場合でも、断筆に至る経緯の説明のために 「断筆宣言」 と呼ばれる所信表明を行うケースがあり、非常に有名なものでは、1993年の筒井康隆による断筆宣言があります。 これは高校の国語教科書、「国語I」 に収録された同氏の短編、「無人警察」 において、癲癇に関する記述が差別的であるとの指摘を受け、角川書店が同作品を含むいくつかの作品を単行本から無断で削除したことに対する抗議として行われたものでした (1996年に解除)。