同人用語の基礎知識

マッハ

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焼きそばパン買ってこい、「マッハ」 でな!

 「マッハ」 とは、主に航空機などの速度を示す際に用いられる単位です。 マッハ1は空気 (標準大気) 中の音速と等しく秒速約340m、時速約1,225kmに相当します。 速度の倍数でそのままマッハ1、2、3といった使い方をします。 言葉の由来はオーストリアの物理学者、エルンスト・マッハ(Ernst Mach) の名で、1929年にスイスの航空技師、ヤコブ・アッケレートによって名づけられて広く使われるようになっています。

 もっぱら戦闘機やロケットといった超高速飛行体の速度表示に使われ、一般に音速と同様に速さの代名詞のような単位であり、それがそのまま俗語化もしています。 例えば若者言葉に 「マッハで」 といった云い方がありますが、これは 「急いでやれ」「いますぐやれ」「瞬時に」 といった意味で使われます。 似たような言葉にはこのほか、「ダッシュ」「速攻」「」「全速 (全速力)」 などもあります。

 マッハは日常生活において、一般人 が自身の移動速度として体験することなどまずないものです。 ただし音速自体は、遠くの雷が光った後に雷鳴が遅れて届くみたいな光速との比較による ラグ の感じ方で、むしろちょっと遅いみたいなイメージすらあるかも知れません。 スタジアムやドーム球場などの広い 会場 で行われる音楽ライブなどは、ステージ最前列と最後列の観客席の間でラグが生じ、ペンライトの色替えなどに座席位置ごとのズレが生じることもあります。

非日常の移動速度である 「マッハ」

 ちなみに一般的なジェット旅客機の速度は 800〜900km/h であり、これらは亜音速と呼ばれます。 世界最速の旅客機として有名なフランスのコンコルドは 2,179km/h (マッハ2弱程度) です。 一方地上では、東京大阪間を1時間で結ぶ計画のリニア中央新幹線は時速 500km/h です。 筆者 は一般の旅客機やリニア (山梨の実験線) になら乗った経験がありますが、旅客機は上空高く飛ぶため比較物がなくて速度が実感できませんし、リニアもトンネルばかりで新幹線より速いと頭でわかってはいても、「まあこんなものか」 みたいな感じでした。

 ちなみの蛇足で遊園地のジェットコースターは乗客がむき出しの上に至近距離に対象物があり体感速度は速いものの、世界最速で 240km/h (アラブ首長国連邦のフォーミュラ・ロッサ)、日本最速で 172km/h (富士急ハイランドのドドンパ) 程度です。 マッハの速度域やそこに至る強烈な加速を体感できる戦闘機に 一生 に一度くらいは乗ってみたいものですが、まぁ無理っぽいので ゲーム で我慢します。

 航空機などが音速を超える速度、すなわち超音速で飛ぶとなると、超える瞬間にソニックブームと呼ばれる衝撃波が発生します。 また超えるまでの音速に近い速度域 (遷音速) でも機体の周辺を流れる空気の一部が音速を超え、断続的な衝撃波が生じることになります。 マッハ5以上の速度域は超音速と呼びます。

 乗り物以外では、一般的な拳銃が発砲した際の弾丸速度が秒速340〜350m程度で、ほぼ音速に匹敵します。 ライフル弾はその3倍の秒速1,000m程度に達するものもあります。 弓矢の速度は時速200〜230km程度です。 一方、人力で音速になるものといえば鞭があります。 ある程度の長さがある鞭ならば、思いっきり振るうと先端部分は音速を超え、小さいながらもソニックブームが生じてそれっぽい音がします。 この鞭によるソニックブームは人類が創った最初のソニックブームと言われています。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年4月7日)
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