3密を避けましょう…そこ! 「密です! 密です! 密です」
「密」(みつ) あるいは 「密です」 とは、人と人との距離が短いこと、近づきすぎている状況を指す言葉です。 本来の意味は2020年初め頃から世界的な感染拡大を引き起こした新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) において、感染を防ぐための様々な対策 (新しい生活様式) が提示される中で、「避けるべき3つの密」(密閉・密集・密接) を表す言葉です。
2020年前半頃からメディアを中心に、感染の拡大を防ぐために 濃厚接触 や 不要不急 の外出を避ける、ネット を使った業務などの リモート 環境 の普及と推進、マスク をするといった対策が報じられてきました。 「3密を避ける」 はもっとも初期から対策の中心として重視され、また流行語のような広がり方をした言葉や 概念 となります。
小池百合子東京都知事の 「密です」 は流行語にも
中でも4月9日に緊急事態宣言や感染リスクが高い夜の街対策を巡って西村経済再生相と会談した東京都の小池百合子都知事によるぶら下がりの記者会見において、話を聞こうと密集して待ち構えていた報道記者やカメラマンなどに対して 「密です、密です、密です」 と手のひらを差し出し声を上げながら 「密を避けるために離れてください、広がってください、ソーシャルディスタンス (社会的距離) を取ってください」 との意思表示をしたシーンは話題に。
これは緊急事態宣言のゆくえはもちろん、東京都が日本における感染拡大の中心であり、また同年7月に東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えていたこともあり (翌2021年7月に延期)、その責任者としてメディアで非常に大きく報道されていたことが理由となっていました。
話題となった 「密です3D ゲーム」 |
その後この様子やフレーズを ネタ とした言葉がネットで使われたり、「密ですゲーム」(都知事が街中の密集している人たちを発見して解散させるような ゲーム) が作られたり、おたく や 腐女子 といった人たちが、「キャラ が密着しているような イラスト」 を 「密のイラストです」 などと表現するなど、ある種の 「密ですブーム」 が生じることにもなりました。
こうしたネタ用語の流行やゲームの登場は、ある種の不謹慎ネタとして様々な社会問題や事件が話題となる中でこれまでにもしばしば行われていたことですが、学校の休校や様々な行動自粛要請で社会が暗くなる中、ある種の息抜きとして機能したり、そもそもテレビなどを見ない人にも 「密を避けること」 を広げる効果が見込めるなど、評価は様々でしょう。
なお当の小池知事も自身が登場する 「密ですゲーム」 について、記者の質問に好意的な見解を示していました。