離れた場所から、あれやこれや… 「リモート」
「リモート」 とは、離れている、遠隔している、関係性が薄いと云った状態を意味する言葉です。 英語の remote からきており、単に物理的な距離が離れているといった意味だけでなく、時間的な距離や確率的な距離 (可能性が少ない)、精神的な距離を指すような使われ方もします。
日本においては主に物理的な距離がある、離れているといった使い方が多く、遠隔と訳されることが多いでしょう。 また遠隔にあって操作をすることをかねてからリモコン (リモートコントロール) と呼ぶなど、半ば和製英語的に普及している言葉でもあります。
近年にあっては、主にパソコン (PC) 周りでよく使われます。 例えば遠く離れた場所にいる者同士でパソコン端末を用いて情報をやり取りすることをリモートと呼んだり、離れた場所にあるパソコンを手元のパソコンで操作すること、あるいはそのための機材や 環境 をリモートやリモート機材・環境 (リモートデスクトップ接続) と呼んだりします。 またそうした技術や機材を用いて、会社に出勤せず自宅で仕事をすること (在宅勤務) をリモート勤務と呼んだりします。
なお大手予備校や学習塾などが採用している、衛星や ネット を使った放送形式の授業や塾形態をリモート授業やリモート塾と呼ぶこともあります。 ただしこちらはサテライトとか オンライン と呼ぶ方が多いかもしれません。 それ以前はテレビ授業とか放送授業なんて呼ばれていました。
新型コロナ感染症の流行により、リモートも注目を集める
在宅勤務自体はコンピュータや インターネット の普及で一部業種ではかなり広まっていますが、とりわけ2020年初め頃から世界的な感染拡大を引き起こした新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) において、感染を防ぐための様々な対策 (新しい生活様式) が提示される中、大きな注目を集めています。 密 (3密) や 濃厚接触、不要不急 の外出を避けるなどが求められ、外に出ず人と接触もしないリモートを活用した働き方が推進される事態となっています。
またそれに伴い、人が集っての会食や飲み会などが忌避される中、ネットの グループ チャット機能を使ったオンラインの飲み会が リモート飲み (オンライン飲み) と呼ばれて広まるなど、余暇や娯楽としても活用されるようになっています。
なおリモートと切っても切れない関係にあるネット接続のためのホスト局 (接続元) はリモートホストと呼びます。 またそれを利用する末端の利用者らの通信機器をリモート機器と呼びますが、それらのうち持ち運びや移動ができるものについては モバイル (あるいは昔ならモービル) と呼ぶことが多いでしょう。 携帯電話やスマートフォン、タブレット をモバイル端末と呼んだり、ノートパソコンなどに接続してネット通信を行うモデムカードや端末をそう呼んだりします。