絵や文章の作成のベースとなる 「下書き」
「下書き」(下描き) とは、絵 や イラスト、あるいは文章などを制作する際に、練習や当たりをつけるための下準備として描かれる下絵や、再構成・修正を前提とした走り書きを指す言葉です。 ラフとかラフスケッチ、メモ、ドラフトと呼ぶこともあります。
絵やイラストの場合、完成させる予定の紙などに大雑把な輪郭線などを下絵として描き、本番となるペン入れなどでその下絵を目安として完成した線を描くことになります。 ただし本番の原稿用紙以外に描いた練習用のラフも下書きのうちになります。 なお本番線を描く場合、下絵はあくまで目安であって、上からなぞる、トレスするような使い方はあまりしませんし、しない方が良いでしょう。
また紙原稿で下書きを描く場合は後で消すことができる鉛筆といった 画材 が選ばれ、また描きやすく消しやすいよう、芯が柔らか目のもの (2B とか 3B とか) を選ぶ方が良いでしょう。 このくらいの芯硬度なら力を入れなくても濃い線が描けますし、その分修正のために消すのも楽で、紙も傷みません (紙が痛むと後々ペン入れした時にペン先が滑る、インクが滲むなど泣くことになります)。
一方、文章における下書きも、絵における下書き同様の扱いとなりますが、使われる範囲はもっと広いでしょう。 絵のように鉛筆で薄く文字を書いた後にペンで上から書き改める見た目や文字間違いを防ぐための下書きもあれば、下書きとは別の紙を用意して、下書きを参考に清書する場合もあります。 もちろんそれ以前の、書く内容を考え整理するための下書きもあり、ワープロやパソコンなどがない時代は、文章の移動や編集は大変でしたから、書きたい内容を複数の紙片に分散して書いたり紙を切って並び替えたりして、構成を練るようなことも結構ありました (今は コピー&ペースト やカット&ペーストで一発ですが…)。
下書きだとうまく見えるのにペン入れするとおかしくなる…
絵やイラストを描いていると、ラフや下書き段階では会心の出来だと思えたものの、いざペン入れや トーン の貼り付け、着色などを行い完成に近づくにつれ、期待外れの絵になってしまうことがあります。 下書きの方が良く見える という訳です。
このあたりは、下書き時の荒々しくも勢いのある線がペン入れで失われてしまうとか、大雑把な輪郭線では見えなかったデッサン狂いなどがペン入れで明確化してしまうからとか色々理由はあるのでしょうが、ここを技術を磨いて突破できると 絵描き として大きな成長ができますので、めげずに頑張りたいものです。