方言が一気に全国区の若者言葉・ネット用語に… 「バチクソ」
「バチクソ」 とは、「とても」 とか 「大変」「非常に」「ものすごく」 といった意味を持ち、何かに接頭して強調するために使われる言葉です。 例えば 「バチクソ可愛い」 なら、とっても可愛い、めっちゃ可愛いといった意味になります。 ほとんど同じ言葉に 「ドチャクソ」 もあります。
若者の会話や ネット で使われる言葉として広がっていますが、元々は中国地方の方言からきており、意味も使いどころも同じです。 言葉の構造としては 「バチ」 にも 「クソ」 にも強調する意味があり、2重の強調表現ということになります。 前のバチはともかく後ろのクソはそれ以前から全国的に強調表現として用いられていましたので、初見でも意味が何となく理解でき、野卑な響きが 露悪的 で面白みもあり、使いやすい言葉なのが広がったポイントのひとつでしょう。
そもそもが方言のため 元ネタ などはなく、ネットで盛んに使われるようになる前から散発的に使う人もいました。 その後全国的に広がるわけですが、そのきっかけについては諸説あります。 お笑いコンビ・三四郎の小宮浩信さんの 「バチボコ」(意味はバチクソと同じ) の影響だとか、人気ユーチューバーの口癖説などです。
一方で、一般にも猛烈に広まった大きなきっかけのひとつとして確実なものに、女性アイドル グループ 「NMB48」 の元メンバー 須藤凜々花さん (りりぽん) が、グループ卒業後に出演したテレビ朝日のプレゼンバラエティ番組 「俺の持論」(2017年11月18日放映) でのトーク内容があります。 NMB48 在籍中の様々な過激発言を振り返りながら、「バチクソ 炎上 しました」 と述懐し、それが話題になったのですね。 放送は深夜でしたが、リアルタイム で見ていた ファン らの間で話題となり ツイッター ではトレンド入りするなど、急激にネットでの使用頻度が上がる結果となっています。
「結婚」 宣言の元NMB48・須藤凜々花さんの仰天哲学と題して放映
須藤さんは同年6月17日に行われた第9回 AKB48選抜総選挙の開票イベントで20位にランクインしつつも、その際の壇上スピーチで突然 「結婚します宣言」 を行っています。 直後に週刊誌に親密交際の記事が出たことから先制発表したものとされますが、それ以前にも歯に衣を着せぬ実直な コメント などで度々物議を醸して報道を賑わせるなど、同グループファンやアイドルファン以外にも極めて知名度の高い存在でした。
同番組では 「須藤凜々花の代表作」 としてこの 「結婚します宣言」 を挙げ、「これで大体のニュース番組は一周してきました」 発言して会場を沸かせつつ、自身の率直なものいいを持論である 「優しいウソ極悪論」 に基づくと説明します。
嘘を 「他人につく嘘」「自分に対する嘘」「優しい嘘」 の3つに分類し、3つめの 「優しい嘘」 が1番ドチャクソに悪いものだと断じています。 その理由は 「誰も一見傷つかない」 が 「相手にも自分にもウソをついている」、だから誰も得をしないものだとしています。 そしてその解決策は 「ウソをつかず本音で生きよう!」 だと述べ、これらは自分のこれまでの言動を正当化するためではなく、哲学者ソクラテスも述べている真理だと主張します。
その後、自身の過去の炎上話の数々を振り返り、「枕営業でセンターGET疑惑」 で枕ぽんとまで批判されたことに腹を立て、ツイッターで 「経験はありません。 処女 です。」 と反論したところ、「バチクソ炎上しました」 とコメント。 これが話題となってこの言葉が広がることになったのでした。