この怒りは抑えられねぇ… 「グーパン」
「グーパン」 とは、グーでパンチすること、すなわち握り拳で殴ることです。 人に危害を加える暴力には様々ありますが、手を使った打撃系の暴力の場合、大きくわけてビンタ (平手打ち) かパンチ (殴打) が代表的です。 どちらも当たり所やタイミングによっては大怪我をしかねない危険なものですが、一般にビンタはパンチよりは軽いものとされ、またビンタではなくとも手を振り回して相手に当てると云った攻撃は小さな子供が行いがちなものでもあります。 一方のパンチは、これらに比べるとより打撃力が強く、ある程度の年齢になって初めて使うようになる本格的な暴力だとも云えるかもしれません。
ネット で 「これはグーパンものだな」「グーパン」 などと 書き込む 場合は、怒りや不快感の表明として行うケースが多いでしょう。 不良・ヤンキーや DQN を気取って 「ふざけやがって、殴られたいか」 という訳です。 とはいえあまり本気で怒っているという訳ではなく、露悪的 な ネタ や冗談としての ニュアンス が強い言いでしょう。
「顔パン」「腹パン」 と 「ゲンコツ」
グーで殴るのが顔の場合は 「顔パン」、腹の場合は 「腹パン」 となります。 顔パンは相手の顔に打撲傷を与え暴力をふるったことが周囲に発覚しやすくなるため、隠れて行う暴力としてあえて腹パンを使うケースが多いかもしれません。 ちなみにネットでよく使われるセリフに 「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」 がありますが、これはドラマ 「3年B組金八先生」(1979年) で、三原順子さん演じる山田麗子が作中でしゃべったセリフからきています。 パンチ一発で相手を倒すのは ワンパン と呼びます。
なお拳を使った打撃にはゲンコツ (頭の上に握り拳を上から当てる) もあります。 こちらは年長者が子供などに体罰として行いがちなもので、実際に食らうと結構 痛い ものですが、一般的には力を抜き威力を加減して行うことが多いでしょう。 またゲンコツをする前に、ことさらに 「はぁ〜」 などと口から息を吹きかけて、「これからめっちゃ痛いお仕置きをする」 との演出をすることもあります。 もっとも 昭和 の時代ならともかく、現在は問題になるのを恐れたり社会の見方の変化などもあり、体罰を行う学校の教諭はほとんどいないでしょう (筆者 は 普通 にゲンコツもケツバットも校庭をウサギ飛びもさせられた世代ですが、まあ昭和の公立小中学校あたりだとカジュアルに毎日誰かが体育教師や生活指導から食らってましたよね)。
ネットでよく使われるフレーズに 「グーはやめて」 などもあります。 これは不機嫌さや怒りを露わにした相手に、暴力を受けそうになっている女性っぽいセリフを使って 「そう怒るな」「機嫌を直せ」 といった意味のチャチャ入れとして使われるフレーズです。