同人用語の基礎知識

ジコチュー/ 自己中

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世界はわたくしを中心に回っておりますのよ… 「ジコチュー」

 「ジコチュー」(自己中/ じこちゅう) とは、自己中心的という意味です。

 自己中心的とは、自己中心性が行き過ぎた人のことを侮蔑的に指し、何をするにも自分の意見、好みだけを主張し、まるで世界が自分を中心に回っているような 「わがまま」「利己的」(エゴ) な性格、あるいはそうした性質を持つ人物ということになります。 他人のことなどお構いなし、自分だけが良ければそれで良いという人を指して批判する言葉なのですね。

 本来の 「自己中心性」 は心理学の世界で、人間がこの世界を理解する時に、まずは自分を中心に据えて 解釈 したり、乳幼児の精神発達の過程で、自分以外の人間にも意識や感情があることを理解できず、自分の意識や感情、すなわち自我だけしか理解できない状態などを指します。

 自己中心的やジコチューなどは、こうした本来の意味を面白おかしく拡張した俗語としての若者言葉、あるいはその略語ということになります。

ジコチューが若者の流行語に

 こうした学術用語や政治経済、宗教などの専門用語を 元ネタ とし、意味を大幅に拡張して流行語としているケースはたくさんあります。 この 自己中 や ジコチュー もそうしたものの一つですが、日本においてその元となる 「自己中心的」 という言葉が広く使われ始めたのは戦後まもなくからでしょう。

 単に利己的な性格やそうした行い、人物については、前述した 「わがまま」 などがありましたが、その後日本でも心理学がさかんになるにつれ、心理学由来の言葉が様々に使われることに。

 中でもスイスの心理学者、ジャン・ピアジェ (Jean Piaget/ 1896年8月9日〜1980年9月16日) の唱えた思考発達段階説 (発達的認識論/ Genetic epistemology) は大きな話題となり、「わがままな人」 = 「まだ精神が発達段階の未熟・幼稚な人」 との意味付けに学術的な根拠を与えた形となり、他人を侮蔑する際に 「自己中心的〜」 などとはやし立てたり陰口を叩く使いやすい言葉となることに。

自己中心的から、自己中、ジコチュー へ

ぎゅわんぶらあ自己中心派
「ぎゅわんぶらあ自己中心派」
(片山まさゆき/ 1982年〜/
週刊ヤングマガジン/ 講談社)

 これが 自己中 さらには ジコチュー と略されカタカナになったのはもっと時代を下ってからですが、1970年代には一部の若者の間でそれなりに使われるようになり、その後登場した マンガ、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」(片山まさゆき/ 1982年〜/ 週刊ヤングマガジン) の文脈でも盛んに使われるように。

 1980年代から1990年代にかけ、よくわからないカタカナの若者言葉が大流行した時期があり、これ以降、広くわがままな人をジコチューと呼ぶようになっています。

 なおガキっぽい性格の人を侮蔑的に表す 厨房 の厨で 誤変換当て字 した 自己厨、ジコ厨といった言い回しや、単に言葉が似ているだけで意味は無関係な 事故チュー という表現もあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年2月17日)
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