何があっても根性で乗り切る、何とかする! 「根性〇〇」
「根性〇〇」 とは、根性 があるかどうかを確かめる方法、あるいは何らかの課題を解決する際に正規の方法や手順、合理的な判断に基づく方策を用いるのではなく、気合と根性のあるなしだけに着目し、それで何とかしてしまうことです。 昭和 の頃から若者の間でよく使われていた言葉で、人間が結果に介入できる課題はもちろん、それが無理なものに対してもシャレや ネタ としてよく用いられます。
代表的な言葉に根性論があります。 根性さえあれば何でもやれる、逆にそれができないのは根性がないせいだとする論で、合理的な論とは対極にあるような前時代的で古臭い論、ごり押し・無理やりな論のことです。
また根性焼きもよく知られる言葉です。 腕などに火のついたタバコを押し当て、熱さを我慢するといったものですが、根性者の証明として自分自身でやる場合もあれば、他人に対して根性試しを強いる形で行うこともあります。 一般的には後者の使い方が多く、制裁を加えたり気合や喝を入れるといった 「ヤキを入れる」 に根性を組み合わせたものでしょう。 ただし 「ヤキを入れる」 自体は、鉄などに熱を加えて鍛える 「焼き入れ」 から転じたものです。
お金がないなら根性で何とかすればいいじゃない?
一方、「根性で何とかしてしまう」 といった意味の使い方としては、例えばバイクや車で誰かと競争するとして、速く走ろうとするための極端な乗り方やその姿勢を 「根性走り」 とか 「根性チューン」 などと呼びます。
バイクや車で速く走るためには、本来なら乗るマシンを性能の高いものにするとかチューンアップ (改造) するとか、ドライバーとしてのテクニックを磨く必要があります。 いずれもお金や努力が必要ですが、それらをすっ飛ばして気合と根性、クソ度胸だけで無理やり速く走ること指すのですね。 根性走りはそのままの意味、根性チューンの場合は 「いざ走るとなれば根性で何とかする状態」 の意味で、例えば 「この車ノーマルだけどフルチューンの相手に勝てるの?」「大丈夫、根性チューンだから」 みたいな感じです。 同じ言葉はそれ以外にも、遠距離を自転車で走破することを指して使ったりもします。 毎日通学のために片道1時間の道のりをチャリで根性走りしていますという訳です。
根性というと男性の言葉や概念だとのイメージがありますが、女性でも使う人は少なくありません。 例えば化粧やダイエットなどで根性メイクとか根性ダイエットみたいな言い回しがあります。 どちらも本気でやろうとするとかなり辛いものですが、そこは気合で乗り切ってしまおうという訳です。 「今日はいつもよりかわいくない?」「根性メイクしてきたから」「ウェストが小さめサイズの服を根性で着てるから」 みたいな話はありがちなものでしょう。
根性焼きにしても根性走り、根性メイクにしても、合理的な理由や根拠がないかかなり希薄で、いかにも昭和のつっぱりやヤンキーの文化や言葉、精神論 そのものの感じですが、若い時は気合で乗り切らざるを得ないようなケースがままあるものですし (若さゆえの無鉄砲さはあるけどお金はない…)、使い勝手のすこぶる良い言い回しとしてよく聞かれるものでした。