なんでどこのテレビも同じタレント押してるんですか! >< 「ゴリ押し」
「ゴリ押し」 とは、無理やり何かを他人に勧めること、文字通りゴリゴリと押し付けることです。 オタク用語 や ネットスラング ではなく、ごく 普通 の日本語ですが、ネット の世界では、一部のメディアや広告代理店などが過剰で行き過ぎたマーケティングを行うこと、無理やり何かの流行やブームを起こそうとして執拗に流す広告宣伝活動全般を、かなり否定的に指す ネガティブ な言葉となっています。
言葉として使われるようになったのは、韓国の芸能関係 (いわゆる韓流ブームや K-POP、もしくは韓国という国そのもの) の押し付けがましいマーケティングや、やたらと露出度が高い AKB48 関連、さらに2012年に極端なほどテレビメディアなどでの 露出 が増えた女性タレント 剛力彩芽さん関係、また一部の アニメ 関係などで、その執拗で無理やりな広告手法がゴリ押しだと繰り返し批判的に使われたことで広まりました。
剛力ゴリ押し? 芸能人の過剰なほどの猛プッシュ
なかでもこの言葉を一種の流行語にまで高めた剛力彩芽さん関係では、人気の ライトノベル 「ビブリア古書堂の事件手帖」 の実写ドラマ化において、原作の ヒロイン、篠川栞子と人物イメージがかけ離れたムードとなっており、洪水のようなメディア露出が続いた後にこの主演起用のニュースが伝わると 「原作レイプ だ」 と騒がれることに。
さらに放映されるテレビ局が韓流ゴリ押しの槍玉に挙げられていたフジテレビ系列だったこともあり、相乗効果となってネット中で批判が殺到。 また名称を合わせた 「剛力ゴリ押し」「剛力押し (ごりおし)」 の語感の良さも手伝い、2ちゃんねる や ツイッター で大きな話題となりました。
こうした コンテンツ や芸能人の露出拡大に電通などの大手広告代理店の姿が見え隠れすること、テレビでやたらと連呼しまくったり、ステマ や サブリミナル を含め、なんでもアリの宣伝方法による売り込みが行われていると ネット民 の間で広く信じられていることもあり、とくに2011年から2012年にかけて、反発と同時に大きな流行語となったのでした。
ちなみにくだんのドラマ 「ビブリア古書堂の事件手帖」 は、初回こそ視聴率14.3%とまずまずの滑り出しを果たしたものの、回を追うごとに視聴者が離れ続け、最終回は同番組 枠 (月9) で史上最低となる8.1%となっています (2013年3月25日放映)。 別に剛力さんだけに責任がある訳ではないのでしょうが、ラノベやそれを原作とするコミックも大ヒットとなった関連作品の中で、結果としてドラマだけがコケた形となっています。
「ネット流行語大賞 2012」 ではネット民の投票によって6位にランクイン
その後この 「ゴリ押し」 という言葉は、「ネット流行語大賞 2012」 にもノミネートされ、9万人の投票によって6位を獲得するに至っています。
1位 (金賞) も、ゴリ押しと無縁ではないステマなので、韓流・AKB を問わず、マスコミやメディアの押し付けがましい宣伝に、多くの若者、あるいはネット利用者らは、ほとほと嫌気が差しているということなのでしょう。
なお剛力彩芽さんは話題となった2012年から大作映画や人気ドラマの主役級での抜擢や人気番組のレギュラー枠に多数出演。 さらに大手企業を中心にテレビCMにも次々と起用され、ピークとなった2013年には CM 起用社数ランキングで1位を獲得し 「CM女王」 と呼ばれましたが、翌年には失速。 2014年にはCM女王ランキングの圏外に消え、映画やテレビ番組などへの起用も激減しています。