そこまでプッシュしなくても良いじゃないか…「メロン積み」
「メロン積み」 とは、書店などで一押しの 新刊 などを 展示・陳列する際に、これでもかと山盛りで目立つように積んだり、さまざまな販促POPなどで飾り立てること、ド派手で一風変わったディスプレイを行うことです。
言葉としては、同人誌 などを 書店委託販売 している全国展開の大手同人ショップ、「メロンブックス」(株式会社メロンブックス/ 1998年4月22日設立) 店内での、お奨め書籍類の展示方法があんまりと云えばあんまりだったことから話題となり、ネット の おたく に関連するコミュニティや情報サイトなどで使われるようになり、広まりました。
まるで煩悩が詰まった同人誌で作った 「バベルの塔」 …
一般的に小売店では陳列のための什器 (棚や平台) をさまざまに組み合わせて売り場を作ります。 書店なら、壁際に並ぶ書架が 「壁陳列」、フロアに並べるのが 「島陳列」 となります。 このうち 「島陳列」 の端っこ部分を 「島エンド」「エンド」 といい (同人イベント における 島 の、お誕生日席 にあたる部分です)、ここに目立つよう商品を平積みするケースが多いものです。平積みとは本を積み重ねて並べることで、本棚に並べる場合は 「棚差し」「棚陳列」 などと呼びます。 同じ本を棚に並べると同じ背表紙が並ぶだけになりますし、それが売れ筋なら本棚がすぐにスカスカになりますから、通常は棚の下部に平積みして並べ、非常にたくさん売れそうなもの、人気の商品などは、さらに 「エンド」 に平積みにするケースが多いものです。 とりわけ 「レジ前」 の陳列は重要です。
メロンブックスのレジ前でのそれも、基本的にはこれらと同じものですが、ただ漫然と平積みにするだけではなく、まるでウェディングケーキか東京タワーかのように円形に組んでやたら高く積み上げたり、面白みのあるキャッチコピーが書かれた店内 告知 POPや積み方にある種のアートな 雰囲気 などもあるため、秋葉原 などをはじめ、オタク街 を紹介する ブログ などで話題に。 いつしか 「異常に高いテンションによる店内陳列」 を、「メロン積み」 などと呼ぶようになったようです。
なおメロン積みがされるほどの商品は、当然売れ筋商品でもあり、発売と同時に大量に売れてゆくことになります。 商品は随時補充はするのですが、一気にさばけた時など、メロン積みがあったのであろう広大な 跡地 だけが残る場合もあります。 このメロン積み跡地は、イチオシ、売れ筋商品であると同時に、実際にバカ売れした人気商品だったとの、ある種の 「証拠」「勲章」 のような扱いを受ける場合もあります。