再起動とか仕切り直しとして使われる 「リブート」
「リブート」(Re Boot) とは、ブート (起動) をやり直すこと、「再起動」 のことです。 パソコンやスマホなど、OS (オペレーティングシステム) の起動 (立ち上がり) がある機器類で使われる言葉で、本来は機器の再起動ではなくシステムの再起動となります。 こうしたシステムを持たない機器の場合は 「電源再投入」 となりますが、実際の手順はともかく、概念 はだいぶ違います。リブートは様々な場面で行われます。 よくあるパターンでは、パソコンなどの利用中にエラーが生じて機器が反応しなくなった時 (フリーズ、固まる) とか、あるいはシステムに関わるような大きな 設定 の変更をした際に、それを適用・反応させるために使います。 特定のソフト (アプリ) の動作が重い、メモリが少なくて動きが もっさり して来たといった場合にも、個別の対策をあれこれ行うより再起動する方が簡単で面倒もないため、そのまま実行する場合もあります。
創作物における 「リブート」
一方、アニメ や マンガ、ゲーム といった 作品コンテンツ においても、リブートや再起動といった言い回しの制作方法があります。 これは既存の作品をもう一度再構成して作り直すといった意味になります。 この場合、作品に登場する キャラクター の外見や大まかな設定、名前などはある程度踏襲しながらも、物語の骨格部分や 世界観 も含めたあらゆる要素をいったん白紙に戻して仕切り直し・再構築することになります。 便宜上、パラレルワールド の形を取る場合もあります。
似たような既存作品の再制作手法にはリメイクや続編などもありますが、リブートの場合は世界観や設定を別物レベルにまで変えることも少なくなく、また過去作品との時系列的なつながりもほぼ持たないため、ほとんど 「同じ ジャンル の別作品」 くらいの扱いとなることもあります。
リメイクではなくあえてリブートにする大きなメリットは、古い作品を新しい時代に合った形で再構築・再定義できる点でしょう、 これは時代性や価値観、それも現在では古臭くて共感できないようなものと強く結びついた過去作品やキャラクターを蘇らせる手法として極めて有効です。
ただし創作物などは生まれた時代に影響され、また影響を与えるものでもありますし、そうした時代性が物語の骨格やキャラの魅力や人気、もっと云えば存在価値と直結している場合も少なくなく、その場合は 「なぜ今、わざわざこの作品やキャラでこれをやるのか」「単に過去の知名度を見込んで名前を借りただけではないか」 といった状況にもなりかねないリスクはあります。