同人用語の基礎知識

二次元の嘘/ 二次元マジック

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実際にやってみようとしたら無理でした… 「二次元の嘘」

 「二次元の嘘」 あるいは 「二次元マジック」 とは、二次元、すなわち平面的な イラスト で表現するぶんにはそれっぽく見えるものの、いざ 三次元、すなわち立体的な造形や構造として形を捉えようとすると、途端に破綻したりどうなってるか頭を抱えてしまうようなデザイン・意匠のことです。 実際にはありえない立体を描いた 絵画 である 「トリックアート」「トロンプ=ルイユ」「だまし絵」 の一種だとギャグで捉える向きもあります。

 おたく腐女子 の世界で代表的な存在としては、マンガアニメ の 「あしたのジョー」 の 主人公 矢吹丈、「ドラえもん」 のスネ夫、「名探偵コナン」 の ヒロイン 毛利蘭 (とくにアニメ版) らの独特な髪型があります。 これらは モノクロ のマンガやアニメのように輪郭線と塗りつぶしだけの状態で見ると何となくそれっぽいですし、絵によっては何となく構造が分かる場合もあるのですが、長期連載で作者の手癖が固定してエスカレートしたり、アニメ化で強調されるなどして、最終的にはどういう構造になっているのかが分からない形になってしまったりします。 例えばツノ状のでっぱりがあるのは良いとして、顔の向きを変えても変わらないように見えますし、でも実際に コスプレ などで髪型を再現しようとしても、見る角度によってまるで別物のようになったりします。 これらは ネタ として謎髪型と呼ぶこともあります。

 また同じように立体化やコスプレのために衣装を制作しようとすると破綻しがちなエロゲなどに見られる特殊な 制服謎服) を指す場合もあります。 一方、ロボットもののアニメなどで、スピード感や躍動感を出すための視覚効果として極端なデフォルメやパースが施されたり、あり得ないほど変形・湾曲する、物理的にありえないような爆発や炎、水の流れといった現象を指すこともあります。

 そもそも多くのマンガやアニメは、一部の写実的な絵柄の作品を除けば、人物などはおおむね目は大きく鼻や口は小さく、頭身なども現実的なものにはならず、解剖学的にはおかしな形をしています (立体型・平面型)。 単なるマンガ的なデフォルメの話ではありますが、これを三次元、あるいは同じ二次元でもフォトリアル風の 画像 に落とし込むと途端に破綻、あるいはホラーのような不気味な姿になってしまいます。 マンガ絵や アニメ絵 (おたく絵) といった画風そのものが二次元の嘘やマジックなのかも知れません。

2次元なら許される記号的表現

 これらはしばしば ツッコミどころ満載 な考察ネタとして扱われ、コスプレなどでもどうやって再現するのかが面白おかしく取り扱われることもあります。 一方で、人気作品の キャラ はフィギュアなど立体化することが増え、結果としてそれらが 公式設定 や構造として扱われる場合もあります。

 ちなみにマンガやアニメではキャラが目を強くつぶるような表情を 「><」、目が点になるといった表情を 「・ ・」 みたいに描きますが、これも現実ではありえない記号的な表現となっており、これも2次元の嘘や2次元マジックと呼んでも差し支えないでしょう。 マンガやアニメのように開いた目から >< や ・ ・ になるのを瞬時に切り替える分にはさほど違和感もありませんが、連続した形として捉えるとどうなるのかはよくわかりませんw (実際に再現すると、ちょっとグロくなるような気がします。 あと青ざめた表現となる額に縦の線なども同様でしょう。

 ただし、物理法則や定数を無視した動き方をする、空気のない宇宙空間で爆発音がする、現実ではありえないほどの誇張がされるなどは、必ずしも視覚表現だけに留まらないことも多く、これらは一般にマンガやアニメ、映画の嘘とか演出の嘘、フィクション・創作の嘘といった云い方をする方が多いでしょう。 物語に対するこじつけの要素がある場合は予定調和やご都合主義、お約束 みたいな呼び方をすることもあります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2005年9月7日)
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