実は情報量がめちゃくちゃ多い手、それが写ると… 「手バレ」
「手バレ」 とは、写真や動画の撮影にあたって撮影者の手が画面に写り込んでしまい、様々な個人的な 属性 が露見してしまうこと、あるいは意図せぬ映り込み （手映り） を指す言葉です。
写真や動画に偶然写り込んで困るものといえば顔があります。 日ごろから 顔出し で活動している人なら別に何の問題もないのでしょうが、顔を出したくない場合に意図せず出てしまうと 顔バレ と呼ばれる状態になりますし、そこから名前や住所が 特定 されて 身バレ する危険性もあります。
それに比べれば、「手」 が写り込むだけなら大した問題や ダメージ もなさそうなものです。 しかし活動内容によっては大きなイメージダウンを招いたり、そこまでいかなくとも漠然とした建前や お約束 の前提が崩れ、見た人が白けてしまうような状態になることもあります。
手は口ほどにものを云う…性別や年齢、体形が何となくわかってしまう
手と云うのは不思議なもので、日常生活で第三者の目に触れる体の部位の中でも、とりわけその人の個性や特徴がでてくる部分でもあります。 「顔の形や年齢は化粧や美容整形で変えられても、手はごまかせない」 とはよく云う話で、一見若々しく見える人でも手を見ると実年齢が何となくわかってしまうというのは、実際によくあることです。 男性が女装する際、ごまかすのがとても難しいものとして身長に加え手がよく挙げられもします。
ネット では、自分の性別や年齢を偽って、あるいは役柄として演じたり なりきっ て活動している人は大勢います。 とくに顕著なのは、動画の 投稿 や生配信を行っているような人たちです。 中年男性が女子高生風の 二次元 の キャラ や アバター になりきって配信をする （Vtuber）、あるいはそうしたキャラを用いて動画を作る （ゆっくりとかボイスロイド系動画など） はたくさんあります。 これらの動画作成の際に実写を使う場合 （例えば 絵 を描く、料理をしたり食べたり、何らかの商品を紹介する） は、手が写ってしまう可能性がかなり高いでしょう （そもそも手が持つ情報量の多さに無頓着で隠そうとしない人も結構いる）。
いくら バ美肉 を駆使して14歳女子中学生だの17歳JKだのを名乗っていても、手が写ることで 「もろに男の手じゃん」「割と太ってそうだな」「体毛がきつい」「皺が多くておっさんの手だ」 というのがはっきり見えてしまいます。 いくら 中の人 がおっさんだと知っていて女の子っぽいガワが 設定 に過ぎないとわかっていたとしても、改めてその事実を可視化され突き付けられてしまうと、白けてしまう部分はあるかもしれません。
建前や ネタ ではなく、本気で女性のふりをしている ネカマ のような活動では、実はおっさんだったというのは致命傷にもなりかねないですし、このあたりは必死に注意していてもつい出てしまうこともあるので、何とも辛い部分があったりもします。 それを警戒して、手元作業を実写で行う場合は必ず手袋を着用して行う 配信者 も結構います。 手袋時点で お察し ではありますが、やっぱりそのものズバリが見えるかどうかは結構大きな違いだったりもします。
なお美しい手を持っていて指輪とか化粧品、食器などの商品写真に手だけを出すモデルを手タレと呼びますが、そこまで行かなくとも、若くてある程度手入れがされている手ならば、あまり男女の差や年齢のあれこれは見えてこないかもしれません。 しかし中年に差し掛かる頃となるとその人のそれまでの人生の年輪が手には色濃く出てくるものです。
バ美肉というと、配信用アプリやカメラの設定ミスによる顔バレとか声の部分は慎重に行う人が多い一方、手などはつい うっかり が起こりがちです。 別に開き直っても、それはそれでその人の個性ではありますが、気にする人は十分注意する必要があるでしょう。
ちなみに掛け値なしの本物の若い女性でも、ガワのイメージと乖離した手の場合は、こちらも致命傷になることがあります。 例えば清楚な女子中学生設定なのに派手目のネイルアートが施されいたり、結婚指輪をしているなどです。 こちらは手バレ以上の意味になりますが、さすがにネイルや指輪は本人も強く意識しますから、何らかの事故でも生じない限り、そのまま素で出すような失敗をする人は少ないでしょう。
手バレ相手に 「働き者のきれいな手」
なお手バレした際に コメント欄 などへ リスナー から 「働き者のきれいな手」 といった コメント がつくことがあります。 これは アニメ 「風の谷のナウシカ」 で風の谷に住む老人たちが、攻めてきたトルメキアの辺境派遣軍司令官クシャナに話すセリフから来ています。
捕虜になった老人に対しクシャナが仲間の元に戻って降伏するよう伝えてこいと云うと、老人の１人ギックリが 「あんたも姫様じゃろうが、わしらの姫様とだいぶ違うの」 と語りかけ、その後別の老人ゴルがごつごつとした自分の手をさすりながら 「この手を見てくだされ。 ジル様と同じ病じゃ。 あと半年もすれば石と同じになっちまう。 じゃがわしらの姫様は、この手を好きだと言うてくれる。 働き者のきれいな手だと言うてくれましたわい」 と微笑みます。
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