思いが募るあまり、何もないのにキャラが見えてくる… 「概念グッズ」
「概念グッズ」 とは、キャラクター やタレントの 概念 のみを付加価値として表現・付与したグッズを指す言葉です。 キャラの絵 やタレントの写真、名前などといった 実像そのものを直接描写したキャラクターグッズとの対比として使われる言葉で、似たような言葉に 「シンボル (象徴)」 や 「イメージ商品」 もあります。
例えばキャラクターに固有のイメージカラーが 設定 されていた場合に、その 色 がついただけのグッズなどがそれにあたります。 さらにはそのキャラを連想させるような内面・外面の特徴とか、一見無関係に見えてもそのキャラを象徴するようなものが描かれたものもそう呼ばれます。 例えば 赤髪 のキャラなら赤い色のものとか、白猫が好きなキャラなら白猫のキーホルダーとか、たこ焼きが大好物ならたこさんが描かれたグッズなども概念グッズと呼ばれたりします。
こうしたグッズ類は 公式 に商品として販売されることもあれば、ファン が概念要素を含む無関係な日用品、アクセサリーなどを ネタ やシャレでそう呼ぶこともあります。 ファンの側が勝手に概念グッズとして扱ったものでも、それがファンの間で話題になったりファンの証のような形で広まったりすると、後追いで公式に概念グッズとして認められたり、同じような商品が出されることもあります。
せっかくのキャラクター商品ならキャラそのものが描かれている方がファンは嬉しいものでしょうが、日用品やアクセサリーなどに アニメ や ゲーム の イラスト が直接的に描かれていると 「子供っぽく見える」「安っぽく見える」「目立ちすぎる」 など、ある程度の年齢以上のファンにとっては日常使いに適さないというケースがあります。 しかし好きなキャラやタレントを感じられるものを常に身につけて生活したい場合は、イメージだけが投影された控えめでシンプルなグッズは便利に使えるものかもしれません。
さらにネタ的というか、キャラの名前やその一部、キャラゆかりの品などにそのキャラを重ねて概念として利用することもあります。 筆者 の友人に美少女戦士セーラームーンの水野亜美のファンがいますが、日用品を選ぶ際にやたらと青色にこだわるのはもちろん、あみ印のチャーハンの素などを好んで喫食していました。
宗教と概念グッズと、ある意味最強の概念グッズである国旗
概念グッズという言葉自体は おたく や 腐女子 の中でのものですが、ほとんど同じような役割を持つ存在は昔からあります。 代表的なのは、宗教の世界でいう象徴物とかシンボルなどでしょう。 例えば刑具である十字架は、イエス・キリストが磔刑に処されたことからキリストやキリスト教のシンボルとして扱われます。 同じくキリストの頭に被せられた荊冠 (いばらの冠) や棘そのものも、キリストの受難を象徴するものとして扱われます。 仏教なら仏の悟りの象徴として、蓮の花 (蓮華) が用いられることが多いでしょう。
こうした宗教的象徴は、図案や記号、文字列、色など様々なものがありますが、わかる人にはわかる符合として、宗教や娯楽作品のファン活動を含めた日常の様々なものに見られるものでしょう。 ただしシンボルや象徴ではなく、「概念」 という言葉であらわすのが、おたく・腐女子的というか、ちょっと捻った面白みのある表現として受け入れられたのでしょう。
とくに2000年代になり度々話題になる、アニメキャラなどを単純な色の組み合わせだけで表現したものなどは、その走りとも云えます (わかる人にはなぜかわかるw)。 そう考えるとある意味当然といえばそうなのですが、国旗なども概念グッズの最たるものかもしれませんね。 例えば白地に赤丸だけで、それこそ日本のありとあらゆるものが想起できるのですから。