こんな細かいところにまでネタが… 「芸コマ」
「芸コマ」(芸こま) とは、「芸が細かい」 を略した言葉です。
一般的な 「芸が細かい」 の意味は、工作物や創作物、あるいは人の所作において、細かいところ、細部にまで注意が行き届き、綿密・緻密な配慮・工夫が念入りに行われていることですが、当然ながら 「芸コマ」 においても同じ意味で使われています。 さらにその上を行く場合には、「芸コマすぎ」(芸が細かすぎる) といった言い回しをすることもあります。
同人用語 や ネットスラング というよりは、単なる若者言葉、略語で、一般的には製作者側の強いこだわり、病的なまでの作りこみ・描きこみなどに驚嘆し、それを賞賛する意図で使われます。
おたく・腐女子界隈での 「芸コマ」
同人 や おたく・腐女子 などの 界隈 では、創作物の表現や演出において、普通の人なら無視したり見過ごすようなディティールの細かいところまで忠実にリアルを再現している (詳しい人が見てやっと発見・理解できるような部分まで再現している) とか、アニメ や動画作品などにおいて、繰り返しリピート再生してやっと気づくような小ネタが随所に散りばめられている場合などを褒める使い方が代表的でしょう。
そしてこれは、単に製作者側を賞賛するだけに留まらず、作品の ファン が 「私はこんな細かいところまで気が付いたのだ」 との自分の神経の細やかさ、あるいは小ネタの分野、ジャンル に精通しているのだとの、言外の優越性のアピールにもなっている点が特徴でしょう。
こうした 「芸コマ」 は、気が付かない人は気が付かないので、商業 作品などにおいては労力やコストに対し効果の割が合わない 「無駄な行為」 でもあります。 しかし 「神は細部に宿る」 とも言いますし、製作者側のある種の 「挑戦」(分かる人いるかな? 気づけるものなら気づいてみろ) でもあるのでしょうから、それに気づいて楽しめるというのは、挑戦に 勝利 し、知る人ぞ知る楽しみを見つけた瞬間だとも云えるでしょう。