単独で使ったり、何かに接頭したり… 「ギギギ」
「ギギギ」 とは、悔しさに打ち震え、歯軋りしている状態、無念さを噛み締めているような状態を表す擬音、もしくは擬態語、フレーズのひとつです。 耐え難い苦痛をあらわす 「うめき声」 の表現としても使われます。
単独で 「ギギギ」「ギギギ…」 として使う場合もありますが、何かに接頭・接尾して使う場合もあります。 例えば 「ギギギ…彼女に振られた…」 とか 「また女の子に キモイ って言われた…ギギギ」 なんて感じです。
語源はマンガ 「はだしのゲン」 の 「ギギギ」
「ギギギ」 の 元ネタ ですが、中沢啓治による マンガ、「はだしのゲン」(1972年〜/ 月刊少年ジャンプ/ 集英社) に登場するセリフ、「ギギギ…」 に由来します (他にも 「ギギ…」 や 「ギッ」「ギギギッ」「ギギー」「グギギッ」 など様々なバリエーションがあります)。
作品中では 「歯軋り」 などではなく、炎に包まれて人が焼け死ぬシーンとか、軍事訓練で極端にしごかれて気絶するシーン、殴打されたりものすごいショックを受けたシーン、そして何より、原子爆弾 (ピカ) により生死の境をさまようシーンや死ぬシーンで使われる、非常に悲惨なセリフです。
本来なら、当然ながらとても冗談で使えるような言葉ではないんですが、ネット の一部で特有の不謹慎 ネタ をことさらに使う空気や、現実に起こった広島での凄惨な悲劇、作品中で語られる原爆の悲惨さとは別に、若い人から見てストレートでダイレクトで大げさに感じられるマンガのセリフや擬音の新鮮さ、おかしみもあって、よく使われるフレーズとなっていました。
また若い人でなくても、ずいぶん昔に 「はだゲン」 を読んで、特徴的なセリフや擬音だけが妙に頭にこびりついている 読者 が、懐かしんで使うなんてケースもあったりします (その後 掲示板 「ふたば」 や 2ちゃんねる などを通し爆発的に広まり、「はだしのゲン」 と云えば 「ギギギ」 みたいな印象もあります)。 学校の図書館に収蔵されている唯一のマンガ、のようなポジションを持っていた地域、時代もあり、子供の頃に読んだり アニメ を見てトラウマになった人も多いようですが、それだけ日本人にとって広く親しまれている作品なのでしょう。
なお同じ 「はだゲン」 を元ネタとし、2007年頃に大流行したネットスラングに、くやしいのうwwwくやしいのうwww なんてのもあります。