図星を突かれて何も反論できない… 「ぐぬぬ」
「ぐぬぬ」(ぐぬぬ。) とは、相手から痛いところ、図星を突かれて何も反論できず、押し黙ってしまった状態をあらわす言葉です。
マンガ などのセリフ、もしくは擬態語的な文字列では お約束 のパターンで、似たようなものに 「うぐぐ」 や 「ぐぬぅ」「うぐぅ」 などがあります。 相手に反論したいが二の句が告げず、くやしいが黙るしかない、我慢するしかないといった状態になります。
表現としては昔からあるものですが、いかにもマンガのセリフチックなイメージで意味はわかりやすいですし、かといって実際にリアル生活で自分の口でしゃべるわけではないので、ネット の世界では古臭い言い回しをあえて使うおかしみ、面白さも感じられ、2010年頃から急速に使われるようになっています。
苺ましまろ のアナ・コッポラ のコラ画像から2ちゃんねるを経由
元々マンガなどではよくある表現なので、特定の 元ネタ などがあるわけではないのですが、2010年頃から 「言葉」 として急速に流行り始めました。 その理由は 掲示板 2ちゃんねる (とくにニュース系の板) などで、この 「ぐぬぬ」 を一部の人 (スレッド を立てる人など) が執拗に繰り返し使ったことがきっかけになっています。
そしてその発端となったのは、人気画像掲示板 「ふたば☆ちゃんねる」 の二次元裏板 (虹裏) にて、「苺ましまろ」(2001年/ ばらスィー/ アニメ/ 2005年7月14日〜10月13日) の登場人物、アナ・コッポラが悔しがっている顔のアップを様々な キャラ に改変した コラージュ の ネタ 「ぐぬぬ。コラ」(ぐぬコラ) の流行でした。
このシーンでは、アナ・コッポラという自分の名前が好きではないアナ・コッポラが、さらにその名前を元にしたおかしなニックネームや当て字 (美羽による 「穴骨洞」 など) を付けられそうになり、反論したいが反論できないという状態になっていました。 その時の微妙な表情がかわいいとアニメをキャプチャーした 画像 が人気となり、そのまま他のキャラにも当てはめたものが多数登場。 一部は ツイッター のアイコンなどで頻繁に使われるなど、ふたば以外にも広がっていました。
一部の掲示板で特定の人が何度も連呼していると、そのうち…
いわゆるネットの流行語や 2ちゃんねる用語、ネットスラング などは、何かの事件や 祭り を発端に、同時多発・自然発生的に一つの言葉が盛り上がって作られるケースが多いものです。 しかし中にはごく一部の人だけが気に入って、ひたすらその言葉を繰り返したり連呼したり、あるいは コピペ するなどしてその後広がる場合もあります。
通常こうした言葉は、一時的に話題になることはあっても程なくして消え去り、忘れ去られてしまうものです (新参 は連呼されているのを見て 「流行している」 と勘違いするけれど、古参 や常にその板に張り付いているような人は、ごく一部の人が繰り返して ゴリ押し しているだけなのが見てわかるので、むしろ ウザい と感じて スルー (無視) する)。 しかしこの 「ぐぬぬ」 ように面白みがあり汎用性がある言葉はそのまま生き残り、2ちゃんねるの外でも流行し、広く使われることもあります (2ちゃんねるのまとめブログ (コピペブログ) などが発信地となります)。
この 「ぐぬぬ」 も使い勝手がとても良いので (他人をおちょくって、相手が反論できず悔しがっている様をあらわしたり、煽り などに使うのにとても便利)、その後広く使われるようになっています。 ふたば、2ちゃん、ツイッター (さらにニコニコ動画なども) が言葉の散布地となっているので、流行らない方がおかしいのかもしれません。