ストレス解消にコンビニのスイーツ全部食べてやる 「豪遊」
「豪遊」 とは、豪勢・豪快に遊ぶこと、大金を無駄遣いして派手に思いっきり遊ぶことです。 とはいえそのまんまの意味で使うケースはあまりなく、もっぱら庶民的な 「ちょっと贅沢しました」「奮発しました」 を 露悪的・過剰に表現する使い方が多いでしょう。 例えば 「コンビニでプリンを3つ買って食べました」 みたいなささやかな無駄遣いを豪遊と呼ぶと云った感じです。
言葉自体はただの日本語ですし、こうしたアレンジした使い方も昔からあります。 しかし ネット の時代にこの表現がことさらに使われるようになったのは、「逆境無頼カイジ 破戒録篇」 にて、金融業者 「帝愛」 への多額の借金返済のために地下の強制労働に従事させられた 主人公 カイジが、労働の対価として支払われるわずかな独自通貨 「ペリカ」 を使って飲み食いをする様を豪遊と呼んでいたあたりでしょう。
精神的に追い詰められると散財って気持ちいいよね…
「カイジ」 作中では地下に落とされて1か月経ったカイジが初めての給料日にペリカを手にし、地下から這い上がるための一日外出券をペリカで購入するために絶対に使わないと誓います (最短で半年)。 しかしカイジらの グループ の班長である大槻が小さな缶ビールを初給料のお祝いとして 差し入れ ると、カイジは 「ひっ…!」「キンキンに冷えてやがる」「あ…ありがてぇっ…!」 と感激し、口にした瞬間 「涙が出るっ…!」「かぁ〜〜っ!」「犯罪的だっ!」「美味すぎる!」 と感極まってしまいます。
その後は日ごろの質素な食事の反動もあって食の誘惑に抗いきれず リミッターが切れ て止まらなくなります。 結局缶ビールや焼き鳥、肉じゃが、ポテトチップスなどを移動販売から購入。 あまつさえ前日に続き次の日も散財してしまい、これを作中で 「4万2千ペリカの散財」 とか 「カイジ豪遊」 と称したのでした。
なお ニュアンス が近い言葉にはこの他に 「爆買い」 もあります。 2000年代末あたりから使われるようになった言葉で、訪日外国人観光客 (主に中国人) が日本で大量の買い物をする様を評した言葉です。 2015年前後には流行語として広く使われるようになり、豪遊同様に、ちょっとした贅沢や大量にものを買う場合に使うようになっています。