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ネット弁慶

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ネットの中でだけ威勢の良い人… 「ネット弁慶」

 「ネット弁慶」 とは、ネット の中でのみ強気の人、ネットの 書き込み でのみ威勢の良い人を指して使う罵倒語の一つです。 ネットといっても色々ありますが、もっぱらフォーラムやシグ、コミュニティ、掲示板チャット、各種サービスの コメント欄 など、ネットの中でのみ完結し、かつ不特定多数の人間が参加している書き込みにおいてだけ、やたらと強気な人を指して使います。

 内弁慶という言葉があるように、弁慶を強い人、威勢がよく強気のある人とし、それに何かを接頭して (内 の場合は、身内や家の中だけという意味) 本当は弱く意気地がないけれど、強く出られる時だけは強く出る人を揶揄する言い回しはおなじみです。 その意味では ネットスラング 以前に普通の言葉として、誰にでも理解ができるわかりやすい言い回しと云えます。

 なお似た言葉に 「ネット番長」 などもあります。

「現実世界では弱者だから、ネットの世界でだけ強者として振る舞える」 との揶揄も

 パソコン通信 (パソ通) の時代、お互いに顔が見えない場所で交流している人たちのうち、オフ会 (実際に合うこと) ではおとなしく無口で物静か、あるいは小心者なのに、ネットでは能弁で賑やかな人を多少揶揄する 概念 として登場。 またそうした人がいるとの実感から、ネットで強気の人間を 「どうせネットの中だけの話だろ」 と罵倒する時のレッテルとして使ったりと、「ネット弁慶」 は概念として知られていたものでした。

 直接の言い出しっぺ、造語主はいるのでしょうが、「◯◯弁慶」 という言い回しは一般的ですから、同時多発的にあちこちで発生したのかも知れません。 なおこうした言葉の最初の提唱者として、あやしいわーるどII の 主催者 である AGStar氏を挙げる人もいます。

 一方、インターネット の時代となり、ネット利用者が爆発的に増加。 またパソ通時代と異なり匿名のコミュニティが増え、特定のコミュニティなどに属さない人たちも、通りすがりの ブログコメント欄 などに、現実世界では面と向かってしゃべることは難しいような強い意見、批判や罵倒などを行うことも増えるようになり、そうした人たちに対して 「ネットの中でだけ威勢がいい」「リアル社会では弱者だからネットの中でだけ強者を気取る、虚勢を張る」 といった趣旨で、使われるようにもなっています。

 この場合、相手が集団なら 「ネットイナゴ」 などと呼んだりもしますが、いずれにせよ、「ネットの中だけで強い人」 と、「ネットで強い人をネット以外では弱いだろうと決めつけて貼るレッテル」 との2種類の意味で使う、独特の言葉とも云えそうです。

「弁慶」 って何じゃ?

 ちなみにここでいう弁慶とは、平安時代末期に源義経と共に活躍した怪力無双の荒法師、武蔵坊弁慶 (?〜1189年6月15日) を指します。 牛若丸と名乗っていた時代の義経と五条の大橋で出会って以来、彼の郎党、忠臣として仕え、「平家物語」「吾妻鏡」 といった戦記や歴史書、「義経記」 などの軍記物語などにその名を残し、現在でも能や歌舞伎、ドラマや映画などで高い人気を誇る歴史上実在した人物です。

 この名称は一般的には 「無敵の強さ」「最強」 といった ニュアンス あります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2001年8月5日)
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