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日本武道館

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音楽アーティストの聖地 「日本武道館」

音楽アーティストの聖地 「日本武道館」
音楽アーティストの聖地 「日本武道館」
通称玉ねぎと呼ばれる擬宝珠 (ぎぼし)
通称玉ねぎと呼ばれる擬宝珠 (ぎぼし)

 「日本武道館」 とは、もっぱら日本武道の稽古場・競技場として利用される多目的の ホール公共施設 のことです。 所在地は東京都千代田区北の丸公園2番3号。 武道以外にも様々な格闘技や音楽コンサートなどが催される場として親しまれ、日本でもっとも有名な公共施設のひとつでしょう。

 皇居 (旧江戸城) に隣接しお堀に囲まれた広々とした公園の一角にある特徴的な建物は、奈良県の法隆寺にある国宝 夢殿を モチーフ とした八角形の屋根を持つ和風のたたずまいで、屋根の稜線など全体のシルエットは富士山をイメージした独特なものとなっています。

 なかでも頂上部分の通称玉ねぎと呼ばれる擬宝珠 (ぎぼし) は、人気アーティストらに 「大きな玉ねぎの下で」 と歌われたり 「九段下の玉ねぎ」 と呼ばれるなど、同施設のシンボルのような扱いを受けています。 ちなみに本家の夢殿の頂点には、四方に光を放っているような形をした宝珠が輝いています。

 設計は逓信省で逓信関係の建築を数多く手がけ、曲面や曲線を用いたデザインが特徴の山田守さん、施工は竹中工務店でした。

1964年 東京オリンピックのために建設された日本武道館

 この施設は、日本の伝統武道の普及や心身錬磨の道場を担う存在として、直接的には1964年の東京オリンピックの柔道競技会場として建設されました。 運営 は公益財団法人日本武道館、収容人員は仮設のアリーナ席を含め最大で14,501人となっています。 建設に至る経緯や建設当時の規模感、威容もさることながら、江戸城北の丸に位置し皇居のすぐそばであり、ある意味で日本の中心といっても良い立地となっています。 内部には撤去が禁じられた巨大な日章旗も掲揚され、その格式の高さは他の施設を超えるものでしょう。

 交通アクセスは東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線の 「九段下」 2番出口より徒歩5分です。 来館者向け駐車場はないものの、近隣に公園の駐車場 (北の丸公園第三駐車場) があり利用が可能です。 営業時間は 8:30〜17:00、乗用車で最初の1時間までは 400円、以降1時間ごとに400円加算で当日最大料金は2,000円です。 ただし公園全体の駐車場ですし、施設側でも公共交通機関を利用するようアナウンスしていますので、なるべく地下鉄を使うようにしましょう。

武道の聖地として、音楽の聖地として

スロープを上ると田安門がお出迎え
スロープを上ると田安門がお出迎え

 オリンピック競技場として整備・利用されたこともあり、日本における伝統武道の晴れ舞台、聖地 としてのイメージが強い施設ですが、1966年にビートルズの日本公演のステージとして利用されると、音楽の舞台としても知られるようになります。

 当時東京に大規模なコンサートが開催できる 会場) が少なかったこともあり (同じく東京オリンピックのために建設された国立代々木競技場 第一体育館 (収容人数 13,291人) があるくらいで、その他は日比谷公会堂 (2,085人)、その後竣工した NHKホール (3,800人)、中野サンプラザ (2,222人) といった程度)、以降もトップアーティストらに愛され、音楽の聖地、憧れの地としての存在感を大きくします。

 それに伴い、ロックやアイドル、そしてそれらの ファン にとっても 「武道館でコンサート (ライブ) を行う」 ことが、ひとつの目標として 認知 されるようになります。 またプロレスの興行も良く行われ、1970年代の空前のプロレスブームの中でテレビ中継などが盛んとなると、プロレスの聖地としてイメージする人も多いかもしれません。

 その後東京やその周辺には大規模コンサートに利用できる施設が次々にオープン。 なかでも収容人数が最大で 55,000人にも及ぶ東京ドームが竣工 (1988年3月18日) すると、「ドームで単独ライブ」 が新しい 「トップに登り詰めたアーティストの晴れ舞台」 と認知されるようになります。 それでも伝統ある日本武道館の持つ独特な ステータス は、数々の伝説とともに色褪せてはいません。

 そもそも年間スケジュールの大半が本来の利用目的である武道やスポーツ関連イベントで埋められ、限られた僅かな日数を押さえて映えある武道館でコンサートやライブを行うことができるのは、名だたる大物アーティストばかりです。 所属芸能事務所の業界内での力関係を示すものでもあり、大きなプレミアム感を持つものだからでしょう。

隣の科学技術館 サイエンスホール から、栄光の武道館へ

科学技術館 サイエンスホール
科学技術館 サイエンスホール

 武道館の隣には、同じく1964年にオープンした 科学技術館 があります。 科学・産業技術の啓発・振興を目的とした施設で、広さが選べる展示・イベントホールと大小4つの会議室、劇場型のサイエンスホール (SCIENCE HALL) の3つの貸出施設があります。

 このうちサイエンスホールは410名収容の本格的な劇場型ホールであり、講演会やセミナー、発表会の他、アイドルや声優、アニメ 関連といった おたく に近いアーティストの イベント (ラジオの公開放送とかトークショー、アニメイベントなどなど) などが良く行われています。

 近接する武道館が成功したアイドルやアーティストの晴れ舞台とされるため、科学技術館から武道館までの1本道が 「シンデレラロード」 と見なされることもあります。 いずれにせよ、それなりにアイドルや声優やラジオパーソナリティなどを追っかけていると、自然と何度かは訪れる場所となっていますね。

武道館の周辺は、見どころいっぱい

 旧江戸城の石垣を見るのも、約200,000平方メートルもの広さと四季折々の美しさ、水と緑あふれる北の丸公園を散歩するのも楽しいですし、武道館への移動中に通る靖国通り (都道302号) を隔てて靖国神社もあります。 イベントなりで訪れた際に時間があれば、あちこち散策すると楽しいかもしれません。 とくに春の桜の時期は、そのためだけに遠方から訪れる価値があると思います。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2007年12月4日)
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