同人の世界では、なくてはならない 「公共施設」
「公共施設」 とは、公共 (社会一般、社会全体、おおやけ) のために使われる施設のことです。 もっとも分かりやすいのは、地域にあって誰でも利用することができる公園や図書館、博物館、市民会館や公立病院、学校、あるいは官公庁施設などですが、こうした建築物や広場だけでなく、道路や上下水道、標識や、空港や管制塔、港や灯台、堤防、さらには軍事基地といったインフラ (社会・生活の基盤) 全体を指す言葉となります。
生活する時に各種手続きで欠かせない市役所 (京都府京都市/ 京都市役所) |
公共交通機関の鉄道駅は重要なインフラ (東京都千代田区/ 東京駅) |
狭義には、国や地方自治体、公共団体などが法律・法令・条例などによって整備し、それら自身やそれらの委託を受けた者が維持管理する施設を指します。
ただし社会生活の維持や国民・市民の生活・活動の維持、およびその向上に使われるもの (公共性のあるもの) を、設置主体や 運営 主体の種類によらず、広く公共施設と呼ぶ場合もあります。
例えば民間の鉄道やバスをはじめとする公共交通機関やそのステーション、市立病院や私立学校、経済の基盤となる証券取引所や市場、大型商業施設やホテル、旅館、飲食店、さらに文化や娯楽の基盤ともなる劇場や映画館、遊園地、スポーツ施設などです。
これは理念的な意味としてではなく法的にも根拠があり、駅や病院、学校といったいかにも公共性がありそうなもの以外の純然たる商業施設、例えばデパートや大型スーパーといった大規模小売店舗の場合も同様です。 これらの店舗の中には、公道の上に商業施設へつながる歩道が設けられたり、公道の下に搬出入のための地下通路などを持っているものが結構あります。 民間の商業施設であっても公共性があると認められているため、公の道路の一部や上下を占有するような付帯施設を作れるわけですね。
「公共施設」 と 「公益施設」
なお似た言葉に 「公益施設」 というのもあります。 意味は公共施設とほとんど同じで、公共の利益に寄与する施設といった意味で使われます。 別に公益法人所管の施設のみを指して使うという訳ではありません。
また両者をあわせ、公共公益施設と呼ぶこともあります。
同人者であるからには、賢く正しく 「公共施設」 を利用しましょう
同人 の世界で公共施設と云えば、同人イベント などが開催される 会場 として、コンベンションセンター や メッセ、様々な 産業会館 や文化会館などがおなじみでしょう。
同人関係者にとって馴染み深い、イベント会場 (東京都有明/ 東京ビッグサイト) |
様々な用途に使われる文化的会館 (東京都お台場/ 東京国際交流館) |
これらの施設は、国や自治体によって整備・運営されているもの、民間のもの、その中間のもの (運営管理を官民で行う、設置と運営を官民で分け合うなど) があります。
いずれにせよ、犯罪行為や迷惑行為、著しく反社会的な目的での利用でもない限り、誰でも自由に利用することができ、文化的な生活を営むためにはなくてはならない施設だと云えるでしょう。
とくに国や自治体によって整備・運営されている施設については、憲法で国民の権利として保障されている 「集会の自由」 を制度・設備面で支援・担保する、重要なものとの位置づけもあります。
一般に自治体運営のものは、あまりに華美がすぎるもの、無駄が多いものなどは 「ハコモノ行政批判」 の中で厳しい目を向けられがちなものです。 しかし民間に比べると安い料金 設定 がされており (これはこれで民業圧迫との話もありますが)、経費に乏しい非営利の催しなどは、これがなくては存立できないでしょう。
せっかく税金を払っているのですし (未成年者なら親が払っています)、イベント などを通じて賢く、あるいはマナーを持って利用するようにしたいものです。 公共施設はみんなのものであると同時に、あなたのためのものでもあるのですから。