イベントの象徴、時代の象徴ともなる 「コンベンションセンター」
「コンベンションセンター」(Convention Center/ Exhibition Centre) とは、会議室や展示場などが組み合わされた複合産業振興施設のことです。 大型のものは 「国際展示場」「国際見本市会場」「大型コンベンションセンター」 などとも呼びます。 日本では メッセ (Messe/ 見本市・物産展/ ミサのドイツ語) もほぼ同じような意味で使われます。
世界中の国から代表が集まるような巨大国際会議を行うキャパシティのある会場がそう呼ばれるケースが多く、一度に数千人から数万人が収容できるような大きな会議場を持つような建物、及びそれに準じるものが当たります。
同人 の世界では 同人誌即売会 (同人イベント) をはじめ、おたく や 腐女子 向けの様々な イベント が開催される イベント会場 として、とても馴染みのある 公共施設 となっていますね。
国際展示場、大型コンベンションセンター
そびえ立つ東京ビッグサイトの 印象的な巨大逆ピラミッド |
同人界隈とは何かと因縁のある 幕張メッセ |
関西地域の同人イベントの中心地、 インテックス大阪 |
通常こうした施設は 展示ホール を一体型、分離型問わず併せ持っていて、「会議棟」 と 「展示棟」(屋根が高く、トラックやクレーン車などがそのまま乗り入れられる大型のフロア) とセットで、巨大な 「複合施設」 を構成しているケースが大半です。
また近隣にホテルや美術館、舞台を持つ劇場やコンサートホール、スタジアムや広大な緑地公園などが併設されている場合も多くなっています。
この種の施設は産業振興の拠点として非常に重要で、欧米先進国がこぞって大型のものを作って 運営 していますが、日本でも戦後の高度経済成長期に世界 レベル の大型施設が次々にオープンし、バブル前後に名だたる有名施設が出揃っています。
典型的な 「箱物 行政」 の象徴のような施設で、稼働率が悪いと 「無駄だ」 と叩かれるケースも多いのがこうした施設ですが、単に産業振興の観点のみでなく、巨大イベント開催による国や地域への経済波及効果や、地域の文化的な交流、生活の質的向上を含め、「ものづくりとその販売でお金を稼ぐしかない日本」 にとっては、文化的にも産業的にも、とても重要な施設だとも云えます。
各種イベントの象徴、時代の風景となることも
コミケ をはじめ、非常に大規模な同人関係の オールジャンルイベント が開催されるのがこうした場所ですが、イベントの規模が拡大する中、他に代替会場が見つからないケースが多く (その時代で最大、その地域で最大のものを使うケースが多い)、長く同じ場所で開催されるので、その会場そのものが、イベントの代名詞、象徴のようになる場合もあります。
この種の施設で日本の代表的なものとしては、1990年代までの 晴海 東京国際見本市会場 や、その後の 東京ビッグサイト や 幕張メッセ、インテックス大阪 や パシフィコ横浜 などがあります。 もっぱら大都市圏の中心部のやや外れ、埋立地やウォーターフロントなどの再開発地区に作られるケースが多く、施設の性格から 「空港」 や鉄道駅との交通アクセスがよい場所に存在する場合が多くなっています。
ただし 「コンベンションセンター」 の意味自体は会議場といったものなので、ごく小規模の施設であっても、正式名称がコンベンションセンターやメッセになっている場合もあります。
コンベンションセンターの大きさ比べ…
ちなみに日本で展示スペースが最大となっているのは 「東京ビッグサイト」、周辺施設も含めて全体が最大規模なのは 「パシフィコ横浜」 となっています。
世界最大のコンベンションセンターと呼ばれているのは、アメリカ、シカゴにある 「マコーミック・プレイス」(McCormick Place) で、この施設の展示スペースは東京ビッグサイトのおよそ3倍という巨大さです。 もし日本に 「マコーミック・プレイス」 があったら、コミケは便利になるのでしょうか。 それとも地獄になるのでしょうか。