同人イベントが盛んに開催される 「産業会館」
「産業会館」(さんぎょうかいかん) とは、自治体やその関連公共団体 (社団法人、財団法人など)、および民間の団体や企業などが、もっぱら地域の産業振興を目的に設立して 運営 を行っている会議、展示 のための施設のことです。
産業会館の産業展示会の例 (岐阜県岐阜市 岐阜産業会館) |
複合型産業会館の展示施設の例 (広島県立広島産業会館、東展示館の外観) |
地場産業や伝統工芸の実演コーナーも (青森県八戸市 地域地場産業振興センター) |
なかでも地域ごとにランドマークとして機能するような大規模なものは 国際展示場 と呼ばれたり、ホテルやその他の商業施設などと複合した施設は コンベンションセンター や メッセ などとも呼ばれます。
地域密着型の比較的小規模な産業会館は、官公庁街や金融街、繁華街や市街地、駅前などに立地しているケースが多く、商工会関連の施設となっている場合には、産業貿易会館 とか 産業 商業 会館 などといった名称になっている場合もあります。 また付帯設備を含め、産業振興センターなどと呼ばれている場合もあります。
地方の場合には、地場産業ごとに農業、水産業、林業などの施設も多くなっていて、それぞれ農業会館、水産会館、林業会館などと呼ばれているケースも。 これらは、運営母体となる自治体の部署や関連団体によって分類がされます。
これらのうち自治体や関連公共団体が設置・運営している比較的大型のものは、いわゆる 「箱物」 と呼ばれている施設のひとつとなります。
地域によってはほとんど同じような施設が異なる部署や団体によっていくつも作られていたり、利用実態、稼働率を無視した運営を行うケースもあるなど、「縦割り行政」 の弊害、「税金の無駄遣い」 を指摘されるケースも多いのがこうした 公共施設 でしょう。
しかし市町村の合併と行財政改革の旗のもと、2000年代に入ってからこうした施設の統廃合が相次ぎ、親しんできた産業会館などが消えてゆく現実もあります。
産業会館、施設の規模は様々
東京ビッグサイト や 幕張メッセ のような大型複合施設を除いた場合でも、イベント会場 としての規模は大小さまざまです。 例えば東京の場合ですと、日本を代表するような大型イベントが開催される自治体運営の 東京都立産業貿易センター から、比較的小規模で民間が運営を行っている 東京文具共和会館 などまで色々です。 うち小規模なものについては、交通の便が良く、人の往来に適した場所での運営が多いようです。
設備自体も、いかにも展示場といった 雰囲気 の開放的な横に広い建物もあれば、ごく普通のビジネスビルのフロアの一部だけで 貸し会議室 として運営しているようなものもあります。 コミケ のような大規模な イベント にしか参加したことのない人が、小規模なイベントのためにこうした施設を利用する時には、会場がわかりづらくて困るケースもあるようです。 何しろただのビルだったりしますから。
住所を頼りに当日 現場 に行けば、それっぽい人が集まっていて何となくどこが会場なのかわかったりもするものですが、迷わないよう事前にきちんと地図などで確認するようにしましょう。 このあたりは、2000年代末になってスマートフォンが普及し、グーグルマップの活用などが容易になったことから、劇的に分かりやすくなっていますね。
様々な用途で利用される産業会館
同人 や おたく、腐女子、コスプレイヤー などにとっては、大小様々なイベント、なかでも 同人イベント が開催されるイベント会場として産業会館はおなじみのものでしょう。 小規模な会場は中〜大規模の オンリーイベント などもよく開催され、作品発表の舞台として活用され マンガ 大国日本の裾野を広げる一方、ファン らの交流の場としても重宝されています。
あのコミケですらも、初期の頃はごく小規模な産業会館 (板橋産業連合会館 や 大田区産業会館(現 大田区産業プラザPIO) などで開催されていたのは、覚えておいても良いかも知れません。
もっぱら物産展や地場企業の交流などで使われることの多い産業会館ですが、同人イベントの場合は、同人誌 を作ることと無縁ではない 印刷会社 などが協賛して開催されるイベントも多くなっています。