ボリュームのある髪型が多いからこそ光る 「ぺたんこ髪」
「ぺたんこ髪」(ぺたんこヘアー) とは、髪の毛 のボリュームをあえて落としてぺったんこになった髪型のこと、あるいは主に女性の キャラクター を描く際に、髪の毛が顔や輪郭に沿って薄く張り付いているように描くことです。 文字通り髪の毛がぺたんこになっている状態のキャラとなります。
女性、とりわけ若い女の子をいかにも マンガ っぽく可愛らしく描く場合、髪の毛はふわふわでボリューム感があるように描くことが多いものです。 とくに1980年代あたりからの、後に 萌え と呼ばれるような絵柄の黎明期にあっては、少女漫画や現実のリアル女性のヘアスタイルの流行 (いわゆる聖子ちゃんカットに代表されるふわふわヘア) もあってか、女性キャラの髪や頭部がどんどん巨大化する傾向がありました。
これは目をひときわ大きく描く萌えキャラ風の絵柄ともマッチし、斜めから見た時におでこがありえない形に変形する (そうしないとバランスが取れない) ほどのこだわりを持つ作品などもありました。 この場合、キャラ単体では見栄えがしても、スマートな男性キャラと並べると、ちょっと違和感を覚えるレベルのデフォルメになっていることもあります (萌えキャラの頭がすっきりと描かれた男性キャラと比べて大きすぎるように見える)。
様々なキャラの姿・描き方が模索される中で
その後ショートカットやボブといった髪型が流行ったり、好ましい髪質にふわふわだけでなくさらさらが加わると、ショートやボブ、あるいは 黒髪 ロングといったヘアスタイルで、まるでお風呂から上がったばかりのように、頭皮に髪の毛がぺたーっと張り付いたような描き方が出てくるようになります。
これらは 絵 を描く 作家 や 絵師 個々人の個性や好みの部分もありますし、それ以前に存在しなかったわけではありません。 マンガではなくおしゃれ・スタイリッシュ なデザイン画のような作品ではむしろ良く見かけるものでした。 その後 1990年代あたりになって、現実離れするほどの巨大なふわふわヘアが古臭く感じられるようになってきたこともあり徐々に増え始めることに。
かつてのような極端にボリュームのある描き方は後退しつつもふわふわボリューミーな髪型の人気は続きますが、ぺたんこ髪も一定のポジションを獲得し、絵柄としての 萌え要素 として支持されるようになっています。