美容師さんのスラングから転用 「アホ毛」
「アホ毛」 とは、髪の毛 の一部が頭上に逆立ち、アンテナ状態になっているものです。
アホ毛」 の再現 |
アニメ や マンガ の キャラ などでは、髪型のアクセントのひとつとして、髪の毛の一部が跳ね上がっている表現は昔からあります。
右画像のような 1本 (もしくは尻尾状の細い髪の束) だけのものは 「アンテナ」(ゲゲゲの鬼太郎の妖怪アンテナあたりが影響)、2本だと昆虫のそれから 「触角」 などと呼ばれていました。 広義では 「ハネ毛」 となりますが、ごく一部だけがまとまってピーンと逆立っているのが特徴です。
「おかしな髪型の ヒロイン」 というと、少女漫画の世界の独擅場のような感じがしますが (ドリルとか、ツノとか)、例えば 1983年7月1日〜1984年6月29日まで放映された 「魔法の天使クリィミーマミ」(日本テレビ系列/ スタジオぴえろ) の 主人公、クリィミーマミ (森沢優) などは、かなりハッキリと、その後の 「アホ毛」 とほぼ同じ形状の 「触角」 を持っています。
ただし再現図のようにはっきりとアンテナ状で鋭利なもの、現実の世界ではありえないような極端なものが続々と登場するようになったのは比較的最近で、とりわけ美少女キャラクター関係で登場してハッキリと認識されるようになったのは 1990年代初めあたりからでしょうか。
その頃は、上記のように 「アンテナ」「触角」 と呼ばれるケースが多かったものです。
「アホ毛」…元々は美容師さんのスラング
その後、「アホ毛」 という表現が登場。 この 「アホ毛」、元々は理容師さん、美容師さんなどのヘアスタイル関連の人たちが使っていたスラングで、枝毛、もしくは枝毛がピンピンとヘアスタイルから飛び出ている状態を指す言葉でした。 「言うことをきかないダメな毛」、すなわち 「アホ毛」 という訳です。
美容師さんの間では、「アホ毛」 という表現はかなり昔からあるようで、雑多な人が集う 同人 などの世界でも、「触角」「アンテナ」 を表す言葉として、それなりに使われてはいたのだと思います。 それがある種の代名詞、ポピュラーな名詞、さらには 萌え要素 にまでなったのは、いくつかの美少女ゲームのキャラクターで、この種のアクセントを髪型に持つキャラが出てきて、「触角・アンテナブーム」 とも云えるような流行が1990年代中ごろにあったことでしょう。
いくつかの作品で 「アホ毛」 という表現がされたことにより、今ではすっかりこの言葉が定着しているようです。