同人用語の基礎知識

アホの子

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ドジっ子 「てへっ」 より、もうちょっと頭悪げな…

 「アホの子」とは、関西弁でちょっと抜けてる人、頭の悪さがにじみ出ている人、バカっぽい人、でもどこか憎めない…みたいな感じの人や子供を罵倒したり、あるいはちょっと愛情を込めて茶化したりする時に使う言葉です。 そのまんまですが、漫才では 「ボケ」 に相当します。

 マンガアニメゲーム やら 同人 の世界やらで 「アホの子」 と呼ぶ場合は、ちょっとした 萌え の要素 (萌え要素) の1つと考えられ、おっちょこちょいな ドジっ子 (ドジっ娘) などより天然っぽい (かといって完全な天然おバカキャラともちょっと違う)、頭の悪さが滲み出るような、文字通り 「阿呆」 っぽい キャラ に使われるようです。

 わりとしっかり者のイメージがある ツンデレ に比べると 「守ってあげたい」「失敗してもかばってあげたい」 と思わせるようなキャラで、他のキャラや カップリング の相手から呆れられたり 突っ込まれ たり怒られたりすることではじめて特徴が際立つ、普遍的に人気のあるキャラ造形のひとつと云って良いでしょう。

行動が伴う 「ドジっ子」 に比べると、「アホの子」 は、もう見るからに存在自体がアホ

 ところで 「ドジっ子」 と 「アホの子」 の違いはなんでしょうか。

 ドジっ子 が何か行動を伴う属性だとすると (料理を作ったら失敗して 料理爆発 とか、道を歩いていると石につまづいて転ぶとか)、アホの子 は、もうそこにいる時点でアホ…存在自体が突き抜けている印象があります。 例えば ドジっ子 が何か失敗をやらかしてしまうと、「テヘッ」 などといいつつ を出して謝るそぶりをしながら笑う (てへぺろ) …といったパターンが多いものですが、アホの子 の場合は、「自分が失敗したことすら分からない」 あるいは 「全く気にしない」 みたいな感じでしょうか。

 登場した時点ですでに手に変なものを持っている (ネギとかカエルさんとか)、おかしな着ぐるみを身に着けたりする、ほっぺたにぐるぐるが描いてある、常に 鼻水 が垂れている、何かのきっかけで突拍子もない行動を取る (蝶々が飛んできたらいきなり追いかけるとか)、人の話を聞かない…などですが、しかしなぜか時々、妙に鋭いことを云う意外性も持っています。 あるいは IQ偏差値 だけは異常に高いとか、天才 レベルの特技をひとつふたつ持っていたり。

 また言葉遣いが独特だったり (「おいこら」「それ食わせろ」 みたいなぶっきらぼうな場合が多い)、相手のことなどお構いなく、ズケズケとモノを言ったりします (ただし本人なりに思いやってはいる)。 性格は捉えどころがないものの、基本的に明るい性格ですが、落ち込むととことん落ち込む場合が多いようです。

 「ドジっ子」 との大きな違いは、「アホの子」 は原則として物語がどれだけ進んでも、ほとんど一切成長しないってところでしょうか。 「アホの子」 は最初から最後まで徹頭徹尾 「アホの子」 です。

勝手に動いてくれる、頼もしいキャラ、「アホの子」

 同人マンガなどの 二次創作パロディ なんかですと、とりあえずオリジナル作品の中で一番知能指数や 偏差値が低そう なキャラは、「アホの子」 にしてしまえってのがあったりますね。 動かしやすいからだと思いますが、アホ扱いしながらも、たいていは描く作家さんが1番か2番目に好きなキャラだったりするのが面白いですね。

 代表的な萌え要素に メガネっ娘 ってのがありますが、こちらがしばしば 「優等生」「おとなしい」「根暗」 などといった属性を持っていたりします。 また 「ツンデレ」 キャラはしっかりもののイメージです。 ですので、これらを アホの子 と組み合わせると物語も勝手に面白く転がり、健全系 のギャグものなどでは、ますます存在感が増している感じです。

 一方で、ドジっ子とは当然ながらキャラの一部がかぶって相性が悪く、通常はアホの子がドジっ子を一方的に食う展開となります。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2004年11月19日)
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