子供のスカートめくりやヒップタッチも、もはや冗談では済まされない… 「小学生風の男」
「小学生風の男」 とは、そのまんまですが、風体が小学生っぽい男のことです。
言葉自体は 普通 の日本語ですが、「作業員風」 とか 「中年のサラリーマン風」「外国人風」 などといった犯罪容疑者などの特徴を報じる時に使われるような表現で、かつ 「小学生風」 というのはあまりなく、少々おかしみを感じる表現になるのかも知れません。 この 「小学生風の男」 が、ある事件で容疑者として紹介されたことから、ネット の 掲示板 などで話題となり、ネタ として触れられることとなりました。
この独特のフレーズの 元ネタ となった事件は、2010年5月4日に大阪府寝屋川市で発生した女子高生に対する 痴漢行為 で、翌5日にウェブサイト 「全国の安全・安心メール」 にて掲載された 「女児に対するチカン事案発生」(大阪府警察安まちメールの内容から) になります。
野球のユニフォームを着て黒色自転車に乗った小学生風の男1名が…!
「全国の安全・安心メール」 にて掲載された 「女児に対するチカン事案発生」(2010年5月5日) |
サイト 「全国の安全・安心メール」 は、全国の自治体や警察などが地域住民向けに配信している不審者情報・防犯・防災のための安全・安心メール (メルマガ) をまとめて掲載・発信しているサイトです。 もっぱら不審者情報を発信して住民の注意喚起を促したり、何か事件が起こった時の目撃情報の募集の転載による仲介などを行なっています。
不審者情報やわいせつ事件、性犯罪に関する事件の情報などは、小さな子や年頃の娘を持つ親にとっては重大な関心事ですし、被害者となるケースが多い女性にとっても、それがどれほど些細で軽微なものであっても、冗談で片付ける訳にはいかない深刻な問題です。 また中には悪質な性犯罪としか表現できないような事案も紹介されていて、だが心配のしすぎではないか では済まない状況もあります。
これら不審者情報の中には、単に 「道を尋ねただけ」「路上を歩いていただけ」 のケースもとても多くなっていますが、もちろん 「声かけ事犯」 から深刻な犯罪に発展する可能性もありますから (性犯罪だけでなく、空き巣や車上荒らし、強盗、放火などの可能性もあります)、念には念を入れた安全のための努力であると評価すべきものでしょう。
しかし一方で、一部の事案については 「道を尋ねただけなのに騒ぎ過ぎではないのか」「神経質すぎるのではないか」 との認識を持つ人も多く、中には鉄道の線路のそばや構内で遊んでいる子供に注意したり、暗くなってから一人で遊んでいる子供に家に帰るよう促した男性が不審者情報として掲載されたりもして、「善意の声かけもできないのか」 との声が出る場合もあります。
またメルマガで犯人 (多くは男性) の紹介をする際、特徴として中年とか ハゲ とか小太り、オタク風など、多くの男性が身につまされる特徴があったりもするので、掲示板 2ちゃんねる などでは、内容によっては、「ハゲは道に迷っても罪なのか」「中年男性は黒いジャンパーを着て子供を見ると罪になるらしい」 などとネタとして ツッコミ が入れられる場合もあり、かねてから注目されていたのでした。
この 「小学生風の男」 の事件では、女子高生が歩いていると、野球のユニフォームを着用し、黒い自転車に乗った小学生風の男が、追い抜きざまに女子高生のお尻を触ったとなっています。 紹介の メール では、大阪府警察犯罪発生マップに登録された事件発生 現場 の地図とともに、「身の危険を感じたときは、大声で助けを呼びましょう」 と案内されていました。 あるいは警察が動いたということは、リトルリーグ帰りの小学生を装った小柄な中年男性による狡猾な凶悪犯行の可能性もあるのでしょうか。
ってうか、単なる小学生のいたずらだろそれ…と話題に
この種の事件については、女性と男性とで認識の違いはかなりあるのでしょう。 小学生の男の子がやりがちな 「スカートめくり」 なども、男の子の方からしたら単なる些細ないたずらのつもりでも、やられる女の子にとっては本当に嫌で嫌で、かといって大げさに騒ぐことも泣いて悲しむことも憚られ、半笑いで 「やめてよぉ〜もう〜」 程度の反応しかできず、めくられたこととそれに対して毅然とした対応ができなかった自分のふがいなさ、それを許す周囲の空気に二重三重の精神的ショックを受けて後々まで引きずる場合だってあります。
しかし一方で、小学生が女子高生のお尻を通りすがりにちょっと触ったことが警察沙汰となり警報が流れニュース沙汰にまで至るというのも、ちょっと世知辛く感じてしまう人もいるのでしょう。 一昔前ならば、こうした 「悪ガキ」 は大人がゲンコツで懲らしめて謝罪させ、相手もそれを受け入れて終わり…だったのかもしれませんが、体罰に厳しい目が注がれる今の時代、ゲンコツも難しい気がしますし、偶然こうした場面に出くわした親以外の地域の大人がどこまで関わればよいのかといった問題もあるでしょう。 ちなみに発生場所は、京阪本線の寝屋川市駅西口からおよそ300メートルほどの距離の大通り、商店街の中でした。
ともあれ、「小学生風の男」 あるいは 「野球のユニフォームを着た小学生風の男」 という表現が、あんまりと云えばあんまりなものだったこと、事件発生の翌日がよりにもよって 「こどもの日」 の5月5日であり、掲載された日付の面白さなどもあり、ネット 界隈 ではちょっとした話題となったのでした。