手堅く確実だ… 「鉄板」
「鉄板」(てっぱん) とは、確実だ、間違いない、頼れる、必須といった意味の言葉です。 言葉の由来は鉄の板が硬いため、手堅い、堅実、固いといった意味に転用されたもので、危なげなく安心感・安定感がある状態をあらわす言葉として広がりました。
例えば 「鉄板ネタ」 と云えば、確実に受ける ネタ だ、すべらない手堅いネタだとの意味になりますし、ゲーム の世界で 「鉄板装備」 や 「鉄板編成」 なら、手堅い 装備 や編成である、必須のそれであるとの意味になります。 ネット の世界でもよく使われますが、もっぱらお笑いの世界での使われ方から広く普及した言葉で、別に ネットスラング という訳ではありません。
使いどころは異なるものの、やや似たような ニュアンス で使われる言葉に 王道 があります。 この場合、多数派・正義 の存在であり、外さないために必要不可欠な要素を満たしてるとの意味になります。 他にマストもあります。 英語の 「must」(〜しなければならない) から来た言葉で、必須だ、欠かせない、手堅くてあるのが当たり前だといった意味となります。 定番 あたりも同じような使われ方をするでしょう。
逆に対の 概念 となるのは、文脈にもよりますが 「豆腐」(柔らかすぎて信頼感がない) や 「際どい」、あるいは 「邪道」「地雷」 あたりでしょうか。
焼き土下座の場合は…
一方、何か重大なミスをした人に対して 「鉄板」 と云う場合があります。 これは 「焼けた鉄板の上で 土下座 せよ」 との意味で、アニメ も大ヒットした マンガ 「賭博黙示録カイジ」(福本伸行/ ヤングマガジン/ 1996年〜1999年) に登場した懲罰、およびそのための器具 (焼き鉄板と土下座強制機) のことです。
作中で主人公カイジと対峙する帝愛 グループ 総帥の兵藤和尊が、「口先だけの謝罪など謝罪のうちに入らない」 とし、借金を返さない者、失態を犯した部下、賭博で負けた相手などに、誠意さえあればできる 「心からの謝罪」 を行わせるための儀式であり、真っ赤に焼けた鉄板の上で額を鉄板に擦り付けた形で、10秒間以上の土下座が要求されます。
転じて 「心から謝罪せよ」「罪を償え」 との意味で、鉄板 (あるいは焼き鉄板) が使われることもあります。