どんなゲームでも、ランキング上位に食い込むのは至難の業… 「ランカー」
「ランカー」 とはランキング入賞者 (ランキング順位保持者) のことです。 おたく の世界では、もっぱら ゲーム におけるハイスコアランキング上位者、あるいはポイント獲得系の イベント で獲得数ランキングの上位者、およびその常連を指して使われます。 複数形で 「ランカー勢」 と呼ぶこともあります。
ランキングトップ、およびその常連は、とくにトップランカーと呼びます。 原則としてトップ (一位・首位) は同率を除き1人のみで入れ替わるものですが、常にトップ争いをしているようなランキング最上位常連者はトップランカーと呼ばれるか、複数いればトップランカー勢と呼んでその他のランカーとは区別する考え方もあります。
ゲーム内でのランカーの扱いとしては、ランキング一覧に プレイヤー名 が載るだけ、あるいは特別な称号がもらえるといったその後のプレイ内容に変化が生じない名誉的・自己満足的要素に留まる場合もあれば、ゲーム内で使える特別な アイテム をランキング報酬としてプレゼントする場合もあります。
キャラクター のしゃべりに人気声優などが起用されている場合、サイン色紙といったゲーム外のリアル商品が贈られる場合もあります。 また何らかのリアルイベント (例えば プレイヤー が集う競技大会や参加人数制限がある ファン 向けの感謝祭、シークレットライブなど) への出場・参加資格が与えられる場合もあります。
情報戦と神経戦、スキルと根性だけではランキングは難しい
頑張ってランク入りした際には、褒賞としてアイテムが配られることも (艦隊これくしょん-艦これ-) |
多くのゲームでは 1位〜3位、あるいは10位くらいまでは別格として、それ以下のランキングは50位、100位、500位、1,000位といった具合にキリの良い数字で区切って、ランキングにさらに上位下位のランク付けをすることもあります。
この場合、それぞれの順位の区切りの部分をボーダーライン、あるいは単にボーダーと呼びます。 例えば 100位なら、100位と101位の境界が100位ボーダーといった呼び方になります。
ポイント獲得数を競うランキングなら、おおむねプレイ時間の多寡が獲得ポイント数に直結しがちなこともあり、受験戦争における 偏差値 の攻防さながらにこのボーダー上でプレイ時間を巡る当落の熾烈な争いが繰り広げられることになります。 過去イベントのボーダー数値の推移などを分析し、どこまで走れば安全圏に入れるかの情報戦や腹の探り合いによる心理戦の様相を呈することもあります。 また独自検証によって 「ボーダー予想」 を立て、イベントごとに公表するプレイヤーもいますが、シビアなゲームではデマを流して自分が有利になろうとするケースすらあります。
50位とか100位あたりだと、ボーラーライン上で争うライバルは中盤あたりで常時10人からせいぜい20人程度、その後一部が脱落あるいは突き抜けて、最後まで争うのは2〜3人程度に絞られてきます。 常連となれば、いつも見るプレイヤーが前後に何人かはいる感じです。 その後はイベント終了日や終了時間 (週末か平日か、朝か昼か夜か、など) と、そのライバルのポイントを稼いでいる日時の傾向から、出し抜くための心理戦が活発化します。
例えばライバルが平日の昼間にポイントを伸ばしているなら、プロフィール欄 に情報がなく ツイッター などとの連携もなく日々の生活がうかがい知れなくても、学生か夜勤の社会人だと予想できるでしょう。 その場合、昼間にポイントをあまり増やして相手を刺激するのは避けつつ差し込める位置を キープ し、最終日の夜に全力でポイントを積み増して追い越し突き放すといった作戦が取られたりします。 この段階になると過去のボーダーは目安にもならず、ひたすらライバルとの直接対決ということになります。
500位とか 1,000位あたりだと、ボーダー上で競うライバルの数は格段に増えますが、そもそもの獲得すべきポイントの絶対量が上位陣と比べて圧倒的に少ないので、少し頑張ればごぼう抜きも可能です。 しかし逆に云えばイベントが終わる寸前あたりは自分もごぼう抜きされる可能性があるので、時間当たりで稼げるポイント数から逆算した安全圏を常にキープする戦い方が必要でしょう。 上位ランクと異なり直接対決するライバル・特定の個人などは存在せず、ゲーム全体の 雰囲気 やプレイヤー全体のプレイ傾向から対策を練る必要があります。
代表的なボーダー読みとしては、過去イベントのボーダー推移などを中長期にわたって記録・観察し、長期休暇の有無など直近の条件を加味しつつ最終的なボーダーを予測することになります。 1,000位あたりはイベント中盤でも短時間で50位から100位単位で順位が変動しますが、順位ではなくボーダーのポイント数だけを見れば無駄に焦ったりしなくて済みます。 過去の同じようなイベントの時にどうだったか、その後ボーダーが上下する条件変更はあったのかなどを分析すると、色々と見えてくるものがあります。 逆に過去の情報や体感の積み重ねが少ないライトなプレイヤーにとっては心理的に相当厳しい戦いになりがちですし、読み違えて中盤以降に一度脱落すると巻き返すのはかなり難しいでしょう。
なおゲームによっては、獲得ポイントを一時的に2倍とか3倍にするようなアイテムや、まとまったポイントを付与するボーナス機能を持っている場合もあります。 おおむね使える回数などが制限されており、これをどのタイミングで使うのかも駆け引きの重要な要素となります。 これはアイテムや機能の名前に 「砲」 をつけた 「〇〇砲」 とプレイヤーらから呼ばれることが多く、「いつ〇〇砲をぶっ放すか」 が勝敗を決める決定打になったりします。
温存して最終盤に放って一気にライバルを突き放し、蹴落とすと同時に相手の最後のモチベーションを奪ってできるだけ早く諦めさせる最終兵器・隠し玉として使う場合が多いかもしれません。 この場合、相手がすでに使っていることが大前提なので、時間当たり獲得ポイント数を常に監視して使用未使用を予想したり、こちらがすでに使ったように錯覚させるため、相手がプレイしていない時間にポイントを稼ぎまくる必要が生じることもあります。 相手が時間当たりの獲得可能ポイント数を計算して安全圏内を走っている場合、最終盤の隠し玉となった〇〇砲は止めを刺す決定打になるでしょう。
対戦型ゲームにおけるランク争いはほとんど魔境に
一方、同じポイント積み上げ式のものでも、対戦型ゲームの勝敗が絡むものでは、ランクを巡る争いはほとんど地獄の状態にしばしばなります。 もちろんゲームタイトルごとのシステムや 運営 の 質、そこに集うプレイヤーの 民度 (あんまり使いたくないですが、民度としか云いようがない…) にもよりますが、ひどい場合は地獄すら生ぬるい魔境・魔窟状態になることもあります。
とりわけ低年齢層 (厨房・キッズ) が多いチーム戦メインのゲームの場合、不正やそれに近い行為や妨害行為、煽り 煽られ・死体蹴り・暴言罵倒は当たり前です。 へたに 実況 の動画配信や SNS の アカウント とゲームとが連携でもしてようものならゲームの外にまで付きまといや嫌がらせが生じ、よほどの 耐性 や 殺伐 を 愛する 余裕、ゲーム内の良き仲間に恵まれないと、ランクを上げるどころか精神的にゲーム継続が不可能になる レベル のゲームもあります。 どれとは云いませんが。
常連のランカーにとって自分のランクを脅かすライバルが減れば有利になりますし、それは常連ならみな同じでもあるので、一部の常連ランカー同士が 馴れ合い の中で新しくランキングを目指す人に集団で陰口や嫌がらせをすることあり、いじめ というか、ゲームの闇を見てしまうような気持ち悪さもあります。
とくに上位陣がある程度固定しているゲームの場合、新規 のプレイヤーが上位入賞を目指しているのが明白となると、結託して分かりやすい妨害を行うことがあります。 新規プレイヤーのプレイヤー名を冠した 「〇〇落とす会」 みたいな会を結成してポイントをあるタイミングで一斉に積み増して相手の順位をずり下げたり、ランキング表示画面に コメント欄 があれば、その会の名前やプレッシャーを与える コメント をして相手に精神的な揺さぶりをかけます。
例え過疎っているゲームでも、ガチ勢が2人いれば最上位の争いは異次元に
基本的に人気があってプレイヤーが多いゲームほど競争相手が増えてランキング争いは激しくなります。 また オンライン で遊ぶ ネトゲ などでプレイヤーが様々なサーバに分散している場合、同じゲームであってもランキングを別々に集計し、サーバによるランキング入賞の 難易度 に差が生じている場合もあります。
従ってランクインを狙うなら過疎っているゲームや人数の少ないサーバにいるほど有利となりますが、トップランカーの場合、極論すれば1位を目指すプレイヤーがその場に2人いればスコア・ポイントともに際限なく競り上がりますから、過疎っているゲームやサーバのランキングでも上位1〜5位あたりだけは異次元になっている場合もあります。
なおスコアやポイントがありえないほど増えてゲームでカウントできる上限を突破 (カンスト) した場合は 「打ち止め同率首位」 とする場合もあります。 しかしカンスト者が続出する場合は数値以外の要素が加味されたり、独自に数値を計算して一位二位を決める場合もあり、そうしたケースはとくに 「MAXOUT-OVER」(カンスト以上の戦い) と呼ぶこともあります。
ガチ勢とランカー勢
関連する 概念 に ガチ勢 があります。 これは 「ガチ (本気) でゲームをプレイしている手練の最上級者」 という意味で、おおむね情熱や時間やお金を惜しみなくつぎ込んでいるだけでなく、高いスキルやゲームに対する知識・造詣を持つプレイヤーと認識されている場合が多いでしょう。
ハイスコアを得るためには高度なスキルや知識、膨大な練習量や才能が必要ですから、スコアランキングのランカーはガチ勢と呼ぶに相応しいと考えられています。 もっとも上には上がいますし、それはランカーほど骨身にしみて感じているので、最上位ランカーに対する 雑魚 ランカーみたいな概念すらあり、常連ランカーでありながら自分はガチ勢ではないというプレイヤーも多かったりもします。
一方、ポイントを稼ぐポイントランキングのランカーの場合、所持しているキャラやアイテムに効率が左右される上に、対戦要素がないか薄ければ、ただひたすら 脳死周回 していれば良いのでガチ勢には当たらない、単なる廃人や重課金者だとの意見を持つ人もいます。
とはいえどんなゲームでも最多獲得ポイントでトップやそれに近いポジションを取るのは生易しいものではなく、ゲーム以外の日常生活を切り詰め、前述した情報戦や心理戦を制し、効率を極限まで高めるための検証を行い、ひたすら 周回 しまくる持続力や体力、何より強い精神力が求められます。 その難しさは想像を絶する部分があり、筆者 はハイスコアだろうが獲得ポイント数だろうが、トップレベルの人間はガチ勢以外の呼び方ができないイメージを持っています。
ただしポイント獲得系は、ブランクがあるとトップ層に二度と追いつけなくなってしまう場合もあります。 そこが一時的に他プレイヤーに抜かされても腕とゲーム内戦力によっては一発逆転が可能なハイスコア系と違うところです。 ポイント系は新しいイベントが始まったり一定の日数が経つと獲得ポイント数がリセットされるものもありますが、それでも 古参勢 に 新参 が追い付くのは容易ではなく、走り続けることに疲れたり生活 環境 が変化して時間を捻出できなくなって上位入賞から手を引き、「これまではガチ勢だったけれど今は エンジョイ勢 です」 みたいなプレイヤーは結構多いものです。
スコアもポイントもトップランカーは想像の遥か上
狙った順位が取れずに悔し涙 (スクールアイドルフェスティバル) |
筆者はメディアミックス 作品 である 「ラブライブ!」 に アニメ から入り、スマホ音ゲーである 「スクールアイドルフェスティバル」(スクフェス) を何年かプレイしていますが、ポイント獲得系イベントに 推し (にこにー) が選ばれたので頑張って走ったことがあります。
リリースからだいぶ経ち、そろそろプレイヤーの数も減っている頃でしたが、イベント報酬が豪華だったり対戦・協力要素があったりで歴代最大の盛り上がりを見せてしまい、それでもやるしかないと泣きながら走りました。
トップなど到底無理なので、推しの名前にゆかりがありイメージナンバーでもある25位を目指していたので多少ゆとりがあると云うか、その位置をキープする守りの走り方に努めましたが、それでも2週間のイベ期間中、序盤数日は1日6〜8時間、全然追いつけず中盤は毎日10時間以上、最後の2日間強は20時間レベルで走り、これほど根を詰めた状態は受験勉強とか大きめの仕事の 締め切り が連続で来た時みたいなほどでしたが結局最終盤でまくられ26位に終わりました…。
参考までに筆者の最終獲得ポイントに対しトップ10の獲得ポイント数は自分の2倍、トップ5位で3倍、1位2位攻防あたりで4倍の差がついていました。 トップ10までなら効率を高めてさらに粘れば計算上はギリギリ届きそうな感じはしますが (その分他プレイヤーもポイントを積み増してボーダーが上がるので多分入れませんが)、それ以上となるともはや異次元というか 別ゲー の世界です。
正直、筆者ではどう頑張っても追いつけないですし、イベ終了後1週間は体調が崩れてましたし (オートプレイや委任・スキップのない音ゲーの対戦イベントで連日一日20時間は辛すぎます…)、トップ勢などはもう人間業とは思えないレベルです。 このゲーム以外でも2桁前半ランクインくらいならば様々なゲームで過去に何度もすべり込んでいますが、いずれも同じように上位陣は想像を絶する異次元で、もうトップランカーやばすぎるだろ人間の限界ってどこにあるんですかって感じです。 いやいまさらですが。 おたくの端くれとして人生で一度くらいは好きなゲームの一位を取りたいと思っているのですが…。
ちなみにハイスコア関係や勝敗を競う格闘ゲーム (格ゲー) では、地域レベルから世界規模まで様々な競技大会がありますが、そこで繰り広げられる妙技も 一般人 から見ると理解不能なほどのレベルですね。 解説者の解説を聞いても、それでも高度過ぎてよくわからないこともしばしばです。
筆者の身近なところでは、同じくラブライブ!のアーケードゲームの大会やイベントでトップランカーの妙技を何度も間近で見てますが、こちらも想像を絶するレベルですね。 大勢の観客がいるという条件もありながらミスをせず高得点を叩きだす技術や胆力はすごいものがあります。
蛇足ながら、このゲームでは定期的にゲーム内でイベントが行われ、獲得スコアやポイントに応じてゲーム内・ゲーム外で様々な報酬が貰えますが、人気のあるゲームなのでどこのゲーセンでも順番待ちなどが発生して回数を稼げないので、とある過疎中の過疎みたいなゲーセン (何でこのゲームが置いてあるのかも謎なレベル) に 遠征 と称して高速道路飛ばして友人と良く通っています。
そこにはそのゲームで全国で唯一〇〇を達成した、最初に達成したみたいなタイトルを多数持ち競技大会にも参加していたとあるトップランカーが常連にいたんですが (その人はスコア系ランカー)、やり込み方は尋常じゃなかったですね。 話すと 普通に 明るいし控え目で、変に イキっ て実績をひけらかすこともなく、多分見た目だけならどこにでもいるエンジョイ勢の雰囲気です。 とはいえ何かを極めている自信があるせいか、あるいは見ているこちらが勝手にそういう目で見ているからか、ちょっとしたオーラはまとっていましたねw
音ゲーや格ゲーあたりだと地域トップみたいな人が集う名所や 聖地 みたいな場所があります。 そこでは日々、激しい熱闘が繰り広げられています。 ネトゲでは自宅や通勤通学中に熾烈な争いも生じています。 ゲームタイトルごとの人気やプレイヤーの人数によってランキングの裾野の広さ、頂点の高さは様々ですが、世のゲームの数だけトップランカーやガチ勢がいると考えると、これはこれでちょっとすごいことのような気がします。