むかし、7せん円分のこれを、期限切れでパーにした事があります… σ(;_;)
「定額小為替」「定額小為替証書」 とは、郵便局で発行している簡便な 為替証書 (郵便小為替) のことです。
郵便局の現金を扱うカウンター、および ゆうちょ銀行で交換・換金 (払い渡し) してもらえます。 名称に 「定額」 とあるように、500円とか 1,000円とかあらかじめ決められた額面のものが用意されていて、例えば 1,600円分の交換が必要なら、1,000円のもの、500円のもの、100円のものの3枚に分けて発行してもらう事になります。
郵便定額小為替の画像 (500円) |
同人 の活動には、同人イベント への参加費用の支払いや 通販 の代金支払いなどなど、少額のお金を送る必要のある場面に多く出くわします。 この 「定額小為替」は僅かな手数料で発行してもらえ、普通郵便として手紙と一緒に郵送することも出来るため、活用される場合が非常に多いです。 確かに銀行振り込みや現金書留では、手間と費用がかかってしまいますものね。
ただし郵便局の金融窓口の受付時間は学校や一般的な会社の就学・就業時間にかぶるため (平日の9時〜16時あたり)、振り出してもらうのはちょっと面倒かも知れません。 中高生あたりだと家族に頼んだり、都市部の学校ならば昼に抜け出してみたいな話は 「同人者あるある」 としておなじみのものだったりするでしょう。
なお証書の名前記入欄は受け取り側の為のものなので、そのまま無記名で送りましょう。 また送る際は 封筒 に封入して送ることになりますが、ほぼ封筒と同じような使い方ができて料金が割安なミニレター (郵便書簡/ 切手つきの簡便な折り畳み式封筒& 便箋 のようなもの) という方法もあるものの、こちらはサイズがギリギリすぎて開封時に誤って切ってしまったりするので、避けるのが無難でしょう (ミニレター禁止の場合もあります)。
その後郵便制度の変更などもあり、2007年以降は、かなり使い勝手が悪くなってしまいました。 これ以降に同人活動を始めた人の中には、見たことも聞いたこともないという人も徐々に増え始めているようです (後述します)。 2010年代後半ともなると、同人の世界ではほとんど死語というか、古参 のみが知る 「古 (いにしえ) の 同人用語」 みたいな扱いになってきています…。
民営化以降、「定額小為替」 の手数料が 一気に約10倍の1枚あたり 100円に…
同人の世界ではお馴染みだった定額小為替ですが、2007年の郵政民営化により金額に関わらず全券種共通で1枚あたり 100円の手数料 (料金) がかかるようになり、扱いが多少難しくなっているようです。 結果、同人サークル の側で 同人誌 などの 頒布 価格を端数がでないようにする、以前は割高で利用する人があまりいなかった 普通為替 と金額によって併用する、端数になりやすい郵送代金などは切手同封をお願いする…などの変化があるようですね。
例えば 1,250円を送るとして、以前は 1,000円 + 200円 + 50円、手数料は 10円x3で 30円の、合計1,280円でした。 しかし 2007年民営化以降は手数料だけで 300円かかってしまい、合計が 1,550円になります。 とりわけ 50円の額面券を 100円で交換するのは、方法としてほとんど現実的ではないでしょう。
結果、1,000円と300円の2枚で 1,300円分の小為替を送り、「余った 50円分の返金は不要です」 みたいな使い方をすることもありますが、これはこれで送られた方も困ってしまうケースがあります。 いくら 「端数はいりません」 と云われても、後々の トラブル を避けたかったり、真面目・几帳面なサークルさんは、結局差額分の切手なりを同封する手間をかけることになりがちだからです。
2010年頃になるとサークルが自分で行う通販 (自力通販・自家通販) 自体も激減し、それ以前から都市部を中心に出店が相次いだ 書店委託 を使ったり、ネット の普及に伴い電子書籍化したデータ (実質的にほぼ pdf ファイル) を ダウンロード によって販売する形に切り替えるケースも増えています。
定額小為替の期限と、期限切れの場合の対応
「定額小為替」 には発行日から6ヶ月間の以内の換金 (払い渡し、払い戻し) の期限がありますので、送る場合はその期限に余裕のあるものを送りましょう。 受け取った場合には、半年以内に換金するようにしましょう。 ただし6ヶ月を経過し期限が過ぎたものでも、さらに1年間は再発行の手続きが行えます。
また換金には、正当権利者確認書類 (免許証など身分証明の出来るもの、詳細はこちら 付録/ 正当権利者確認書類について)、および印鑑 (三文判でOKです) を添えて、郵便局で行います。 取り扱いは平日の午後4時までです。
ちなみに急いで付け足すと、上記 正当権利者確認書類 は、通常の払い渡しの際は、必ずしも提示する必要がありません。 ですので、例えば架空名義での払い渡しを受ける事も可能なんですね。 あまりお奨め出来る方法でもありませんが、でも為替を振り出した方に 「半券」が残っている場合 (たいていは残っていますよね)、それを持って払い渡しを受けた人の名前や住所を後日調べる事も可能なので、その点、訳あって私書箱を通販の窓口などにされている女性サークルさんなどでは、少々の注意は払ってみても良いと思います。
変な人も多いですからね…。
定額小為替には以下の種類があります (2008年4月1日現在)
種 類 (額面) | 新手数料 | 旧手数料 | 種 類 (額面) | 新手数料 | 旧手数料 | |
50円 | 100円 | 10円 | 1,000円 | 100円 | 10円 | |
100円 | 100円 | 〃 | 2,000円 | 100円 | 20円 | |
200円 | 100円 | 〃 | 3,000円 | 100円 | 30円 | |
300円 | 100円 | 〃 | 5,000円 | 100円 | 50円 | |
400円 | 100円 | 〃 | 10,000円 | 100円 | 100円 | |
500円 | 100円 | 〃 | ||||
600円 | 100円 | 〃 | ||||
700円 | 100円 | 〃 | ||||
800円 | 100円 | 〃 | ||||
900円 | 100円 | 〃 |
ちなみに有効期間経過、あるいは汚れたり破れたりの定額小為替証書も、為替金払戻請求書と正当権利者確認書類 (上記参照)、及び印鑑を提出すれば、払い戻す事が可能な場合があります。
為替にはこの他、普通為替 と云うものもあります。
お金を直接、普通の封筒などに入れて送ってはいけません! ><
なおこうした普通郵便に同封出来る 「お金に替わるモノ」 がある以上、当然ながら現金をそのまま普通郵便で送るのはやめましょう。 郵便法で禁じられている上、発覚すると受取人立ち会いの元で開封確認、そのまま差出人に返送となってしまいます。 差し出した自分を含め、関わる全ての人が大迷惑を被りますので、ちゃんとルールを守りましょう。