頑張って流行らせようと涙ぐましいまでの努力が…「バズワード」
「バズワード」(buzzword) とは、一部の専門家や有識者・知識人らが提唱しメディアなどでも好意的に触れられ、結果的に世の中で広く使われるような言葉、大きな話題となるキーワードのことです。 ただし肯定的な意味で使うケースは稀で、誰かが世間での興味関心を無理やり誘発・惹起させて ゴリ押し で流行らせようとする意図が 透け て見えるような言葉、わざとらしいキーワードを批判的に指す言葉となります。
しばしばバズワードとして挙げられものとしては、例えば 「マルチメディア」 とか 「Web2.0」「ユビキタス」「クラウド」「シェアリング・エコノミー」 などなど、ネット や IT関連で使われるものだけでも様々なものがあります。 こうした言葉は 意識が高そう な人が得意げに濫用しがちなビジネス用語やマーケティング用語、IT用語などの専門用語っぽいものが多く、一見説得力がありそうですが実際は定義もあやふやで何ら具体的な言葉ではなかったりします。 結果、それなりに話題にはなるけれど使う人によって意味もバラバラでさほど議論も深まらず、すぐに陳腐化するようなキーワードとなります。
あやふやな定義、ムード優先の言葉
こうした言葉の多くは一部のビジネス用語などと同様、何らかの領域の著名人や知識人らの書籍などから引用され、権威や根拠のある 「時代を読み解くキーワード」「これからの変化・革新を予測するための必須の 概念」 のような扱い方を大手メディアなどでされがちです。 それに便乗して利益を得ようという企業なども現れ商品名やサービス名に使うなどしてしばらくは盛り上がりもしますが、従来からある概念の単なる言い換えに過ぎなかったりもして、たいした価値のある変化はもたらさなかったりもします。
あやふやで漠然としたイメージの言葉を駆使して話をするのは不毛なものですが、口にする人は 「何やら新しい言葉・概念を知って使いこなしている自分」 に酔うのが目的だったりもしますし、それを無批判に聞く方も 「よく理解できないけどいまさら理解できていないとは云えない」 と 雰囲気 優先で納得できるので、それはそれで良いのかもしれません。
バズワードとバズ
バズワードの バズ (buzz) は、ネットの世界においては急激に大勢の人々の話題となること、大きな注目を集めることを指します。 ハチがブンブンと飛ぶ騒音が元となる英語で、マーケティングの世界では 「口コミ」 といった意味でも使われますが、基本的には騒々しいだけといったイメージの言葉となります。 この 「バズワード」 にも、うるさいだけで役に立たない言葉との ニュアンス があります。