愛する娘を奪還するため戦場に赴く漢…「いったい何が始まるんです?」
「いったい何が始まるんです?」 あるいは 「何が始まるんです?」 とは、これからどえらい大騒ぎ、天地がひっくり返るような大事件が起こりそうな状況に対し、不安を抱きながら恐る恐る周りの人に事情を尋ねたり、驚いて思わず相手に問い返してしまうような時に使うセリフです。
転じて、掲示板 などで お祭り が起こりそうな予兆、ネット で大きな話題となりそうな事件が起こりそうな時に書き込んで、むしろ「大事件が起こって欲しい」「ひと騒ぎあって欲しい」 なんてのを期待するような謎掛けの言葉ともなっています。
「いったい何が始まるんです?」 元ネタはハリウッド映画 「コマンドー」 の劇中セリフ
映画 「コマンドー」 の DVD Commando/ 20世紀フォックス |
このフレーズの 元ネタ ですが、1985年制作のアメリカ映画 「コマンドー」(Commando/ 20世紀フォックス/ 監督/ マーク・L・レスター/ 日本公開/ 1986年2月22日) の日本語吹き替え版のセリフに由来します。
この作品は、当時 「ターミネーター」 で筋肉派のアクション俳優として人気が爆発していたアーノルド・シュワルツェネッガー演じる元精鋭の特殊部隊コマンドーの隊長 (大佐)、退役軍人のメイトリクスが、元上司のカービー将軍 (ゲン・フランクリン・キルディ少将/ ジェームス・オルソン) とともに犯罪組織に立ち向かい、また誘拐された愛娘を救い出すという冒険活劇となっています。
作中後半、事態を把握するため将軍は 「通信隊に連絡して、警察と沿岸警備隊の無線を残らず傍受させろ」 と指示します。 その後部下に 「何が始まるんです?」 と問われ 「第三次大戦だ」 と言い放ちます。 この部分が元ネタとなりますが、セリフでは 「いったい」 がない状態だったものの、ネットでは 「いったい何が始まるんです?」 との言い回しで流布。 「いったい」 があるものとないものを含め、そのまま広がることとなっています (コアなファンは忠実な 「いったい」 がないものを使うようになっています)。
主演の 「シュワちゃん」 の人気、この手の筋肉ムキムキアクションが ネット住民 に人気があることもあり (掲示板などでの 実況 向きの映画だというのもあります)、テレビの地上波などで放送されると、毎度毎度ちょっとした騒ぎに。 とりわけ作品中の痺れるセリフ、「何が始まるんです?」「第三次大戦だ」 は、名セリフのひとつとして慣用句化され、あちこちで使われるようになりました。
「涼宮ハルヒの憂鬱」 にも似たようなセリフが…
なお2006年に放映され人気が爆発した アニメ、「涼宮ハルヒの憂鬱」(2006年4月〜7月/ 全14話) において、登場人物の古泉一樹が SOS団部室にたちこめるただならぬ空気を感じ取り、「いったい何が始まるんです?」 と話すシーンもあります。
そのほかの名セリフは…
話題となった作品だけに、「何が始まるんです?」 以外にも名セリフとそれを元にした言葉がたくさんあるのが 「コマンドー」。 他にも、「見て来いカルロ」「来いよベネット」「連れを起こさないでくれ、死ぬほど疲れてる」「この手に限る」「面白いやつだな、気に入った、殺すのは最後にしてやる」「奴が生きていればまだ死体は増えるはずだ」「残念だったなぁ、トリックだよ」「ただのカカシですな」 などなど、たくさんあります。
この手のセリフは掲示板などの お約束 の レス として頻出し、「ガイドライン」 などにまとめられる一方、オンラインゲームの時に モンスター を前にした時や、ボス戦 の前などに景気付けとして無意味に チャット などででてくるケースも多く、元ネタを知らずに 「語感が良い」 と伝播して使われるケースもあります。