好きなものを褒めるとき、比較対象をバッシング…「比較厨」
「比較厨」 とは、何かにつけて物事を比べたがる、端的には自分の好きなものを褒める時に比較対象を持ち出し、それを批判・侮蔑することで、自分の好きなものを褒めるような言い方をする人、あるいはそうした言論を指す ネットスラング です。
「比較」 はそのままの意味の比較ですが、後半の 「厨」 は 厨房 のことで、厨房=中坊 (中学生、転じて中学生のようなガキ) のように、生意気で聞き分けがなく、幼稚なことをいう人を批判するネーミングとなります。
近い 属性 に、不等号厨 (人気や実力を不等号で表す) や ランキング厨や売上厨・売り豚 (人気ランキングや売上結果などをことさらに重要視する人を批判的に呼ぶ言葉) などもあります。
好きなものを褒めるのではなく、比較対象を叩くことで優位に立とうとする
例えばAとBの2つの アニメ なり作品なりがあったとします。 Aが好きならAが好きと云えばいいわけで、わざわざBを引き合いに出し、「Aと比べたらBは クソ」 などという必要はないでしょう。 しかし自分が好きなものを高い位置に押し上げるため、下位の比較対象を 設定 し 叩く のは理屈として簡単ですし、それが単なる本人の好みの問題、思い込みだとしても、比較ポイントを箇条書きにするなどすると、何やら客観的な説得力があるように錯覚を与えることもできます。
こうした比較は、工業製品などのように、スペック・性能などが数値である程度明示できるタイプのものなら、それなりに意味もあるでしょう (数値に現れない部分もありますから、それが全てではありませんが)。
しかし所詮は好みの問題にすぎないアニメや ゲーム、マンガ などの作品の内容についてや、アイドルタレントや芸能人、声優などの 「どっちが優れているのか」「どちらが 勝ち か」「正義 か」 の話には、それが絶対評価ができず数値にもしづらいものであっても、やり過ぎは禁物なのかも知れません。 下位設定させる作品や人物にも、熱心な ファン や 信者 がいるのですから。
また本当はBが嫌いなだけで、そのBを批判、ディスる ためだけに、わざわざ比較対象にAを持ち出しことさらに称賛するような、単なる アンチ の比較もあります。 こうした ネガキャン のやり方が実際にはかなり多いのも、こうした 「比較厨」 が嫌われる原因のひとつなのかも知れません。