「○○から本気出す」…今から本気出せよ…
ら…来月から本気出す (同人する子) |
「○○から本気出す」 とは、だらけてやる気の起きない状況で、今すぐにやらなくて良い言い訳をもっともらしく言い繕う魔法の言葉です。 例えば勉強にしろ就活にしろ就職にしろ 原稿 描きにしろ何にしろ、「今やらないのは、◯◯から本気を出すと決めているからだ」 とすると、何やら今現在惰眠を貪っていることに 「理由」 や 「根拠」 があるかのような錯覚を覚えます。
バリエーションはたくさんあります。 明日から本気出す、来週から本気出す、来月から、来年から、入学したら、卒業したら…。 とりあえず 「◯◯したら」 が頭についてさえいれば、もうそれだけで全面的にOKです。
日常生活でも母親などから 「勉強しろ」「宿題しろ」「部屋を片付けろ」 といった注意を受けた際に、「後でやる」「明日からやる」 などと行動を先延ばしにしてその場を取り繕うだけの返事をすることがありますが (まやかしの決意表明)、内容的にはこれとほぼ同じものとなります。
中でも 「来月から本気出す」 は 掲示板 2ちゃんねる などで ネタ としてある種の テンプレート と化し、それぞれの月毎に、「いざその月を迎えたら、更に来月に先送りするため」 の言い回しが丁寧にまとめられていて、1年356日、12ヶ月全てで先送りが可能となっています。 その文章の完成度の高さ、堂々巡りの負のスパイラルとなっている点の面白さから、流行することとなりました。
「来月から本気出す」 基本パターン
【1月】 初っ端から飛ばすと後でばてる。2月から本気を出す
【2月】 まだまだ寒い。これではやる気が出ない。3月から本気出す
【3月】 年度の終わりでタイミングが悪い。4月から本気を出す
【4月】 季節の変わり目は体調を崩しやすい。5月から本気を出す
【5月】 区切りの良い4月を逃してしまった。6月から本気を出す
【6月】 梅雨で気分が落ち込む。梅雨明けの7月から本気を出す
【7月】 これからどんどん気温が上昇していく。体力温存の為8月から本気を出す
【8月】 暑すぎて気力がそがれる。9月から本気を出す
【9月】 休みボケが抜けない。無理しても効果が無いので10月から本気を出す
【10月】 中途半端な時期。ここは雌伏の時。11月から本気を出す
【11月】 急に冷えてきた。こういう時こそ無理は禁物。12月から本気を出す
【12月】 もう今年は終わり。今年はチャンスが無かった。来年から本気出す
1月から12月まで、あれこれもっともらしい理由をつけて 「本気出す」 ことを先送りしていますが、中でも4月から5月にかけては、前月に先送りしておきながら何ら悪びれることもなく 「区切りの良い4月を逃してしまった」 ことを理由にさらに先延ばしを行うふてぶてしさ、そして最後の締めである12月の 「来年から本気出す」 へ続く 「もう今年は終わり。今年はチャンスが無かった。」 の理由と1月につながる無限ループっぷりが、「結局やらないんだ」 との怠け者 根性 を感じさせて笑える感じです。
今すぐ本気=行動を起こすのを、どうやって回避するか
そうした先送りパターンの他、「自分は本気を出したいが、出せない理由がある」 という言い逃れ? のパターンもあります。 代表的なのは、「今やろうと思ったのに言うんだもんな〜」 ですが、他にも 「○○に着ていく服がない」 などという、かなり無理やりなものもあります。
必ずしも望んでその立場にいる人ばかりではないとは云え、やっぱり ニート は楽だし楽しいもんなぁ… (とくに若いうちは)。 人生、いずれはなるようになるんですから、先送りができるうちは、先送りしてしまうのもひとつの手なのかも知れません。
もっとも先送りすればするほど、その状況を改善するのに大きな力や努力、すなわち 「本気」 が必要になったりもするんですが…。 何にだって 「利子」 はあるのだと考えると、少しは前向きに本気が出せるようになるのかも知れません (でも本気出すと、「失敗したのは本気を出してなかったからだ」 というぬるま湯の言い訳ができなくなる諸刃の剣です ><。
「今はやめとけ、時期が悪い」 なども
使いどころや意味などは全く異なるものの、この 「来年から本気出す」 と似たような空気感のある言葉に 「今はやめとけ、時期が悪い」 があります。 例えば友人が求職や転職をするつもりなら 「今は買い手市場だ、下手に動くべき時期ではない」 となりますし、何かを買うつもりなら 「今は相場が高く損だ」「もう少し待て」 となります。
自分以外の行動決意を前に親切心を漂わせながら 「今は時期が悪いから見合わせろ」 と 「先送り」 を強く促す言い回しですが、あれこれ理由をつけて自分が動かないだけでなく、他人の行動まで止めてしまうのがちょっとあれな言葉です。
何にでも先送りする理屈はつけようと思えばつけられるものなので、結局のところは 「どの時期ならいいんだ」 と逆に突っ込まれてしまう場合が多いものです。 考えて考えて結局動かない人と、良く考えずに動く人。 どちらも一長一短はあるのでしょうが、どうせ短い人生、生き死にに直結しない程度の決断なら、とっとと動いて失敗して反省してを繰り返した方が結局のところ後悔がより少ない、充実した人生が送れる感じもします。 とはいえこれはもう生き方とか人生観の話なので、本人がどう思うかなのでしょう。