「AA」 由来の独特な言い回し 「常識的に考えて」「常考」
「常識的に考えて」 とは、理不尽、非常識な犯罪や事件、不祥事、物言いなどに対し、ネット の 掲示板 上で一般的なものの考え、常識などに基づくまっとうな批判、罵倒をする時に使う言葉です。 「どう考えてもおかしいだろ」「非常識すぎるだろ」 なんて時に、「○○は△△に決まってるだろ…常識的に考えて…」 みたいな使い方をします。
その後 「常識的に考えて」 は略され 「常考」 となったり、ローマ字略語化 され、「Jyoushikitekini Kangaete」→「JK」 となったり、あるいは略語それ自体がひとつの言葉となり、「常考的に考えて」「JK的に考えて」 なんて使われ方をされるようにもなっています。 いずれも文章に接尾した使い方をし、例えば 「○○は△△だろ常考」 とか、「○○は△△だろJK」 なんて使ったりします。 なお 「JK」 には、女子高生の意味もあるので、話題によってはそれと意図的に混ぜておかしみを誘う使い方もあります。
元ネタは 「やらない夫」
「常識的に考えて」 それ自体は 普通 の日本語ですが、2006年に掲示板 2ちゃんねる で爆発的に流行り始めた直接のきっかけ、元ネタ となると、アスキーアート (AA) で非常に人気のある、いわゆる 「やる夫」 の派生AA、「やらない夫」 の口癖のセリフからでした。
「やる夫」 は元々 「2ちゃんねる」 の人気板 「ニュース速板」(ν速) で2006年頃に誕生したAAで、別の人気板 「ニュー速VIP板」 の ノリ を持つ利用者や、「VIP民」(草民/ VIPの利用者) を揶揄するような内容の レス に反論するものでした。 「ブーン」(内藤ホライゾン) のAAの顔のアップが元ですが、おおぶりな顔の 「AA」 となっていて構成パーツが大きくシンプルだったことから、AAとは思えない豊かな表情を作り出すことが可能となっています。 勢いのある2大掲示板が関わっていたこともあり、その後このAAの派生バージョンが次々と誕生。 むしろVIP板で大流行することになりました。
なお 「やる夫」 の語源ですが、「VIPでやれ」 との批判に対し、「本当はVIPでやりたいけど、VIPはクオリティが高い スレ (レベル が高い内容) でないと相手にされないから、ニュー速でやるお (仕方なく低レベルのニュー速でやるよ…) との 煽り、挑発の 「やるお」 となっています。 つまり 「ニュー速でやるお」=「やる夫」 という訳です。
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やる夫三面鏡AA |
その際、このAAがぐるりと一周回るものや、横顔となったAAが作られ、それが何故か頭の形が変わるものだったことから、それを揶揄する三面鏡のAAが作られ、その形の違い (横長の顔が、なぜか縦長になる) を、「この横顔はおかしいだろ 常識的に考えて…」 と表現。 その後この2つは別 キャラ 扱いとなり、そのままこのセリフがこのキャラの口癖となりました。
まんまる顔の 「やる夫」 に対し、縦長で困ったような顔をしたこのキャラは 「やらない夫」 とネーミングされ、「やる夫」「やらない夫」 のAAコンビは、その後のネット掲示板の 「AA」 の歴史や使われ方を、劇的に変えてゆくことになります。
と同時に、これらのキャラが改変AAでしゃべったセリフが、そのままAAとは切り離されて流行語になるパターンが続出。 この系統の ネットスラング では、(キリッ とか メシウマ など枚挙に暇がありませんが、この 「常識的に考えて…」 は、初期の典型的なパターンとなります。