やっぱこの状況だとこいつが安定して強いな… 「丸い」
「丸い」 とは、図形などが円形であるという意味の言葉ですが、角が取れて丸くなる、何となくうまく収まる、無難である、すっきりする、すなわち丸く収まるといった意味でも使われる言葉です。 対義語は直接的には四角いや三角だなのでしょうが、トゲがある、問題がある、引っ掛かりを感じるといった言葉です。 「何だかんだいって飲みの後はラーメンが一番丸い」 みたいな使い方をします。
また 「丸める」「丸めろ」 といった使われ方もします。 問題を解決して丸く収めろとか意見をまとめろとか、物事をあいまいにして穏便に済ませろとか、機転を利かせて上手くやれみたいな意味になります。 「企画書を明日までに丸めてくれ」 みたいな使い方ですね。
いずれも意味的にはさほど違和感のない言葉の使い方ではあるものの、広く用いられるようになったのは比較的最近で、とくに若者間での使われ方については ゲーム、なかでも TCG (トレーディングカードゲーム) などの分野で、無難で危なげのない安定したデッキやカードを、死角のない安定した強さ、尖ったがゆえの弱点のない無難な選択、外れなしといった意味で使うようになったものでしょう。 また 「丸めろ」 といった云い方の場合、関西方面の言い回しやお笑い芸人らの 雑談 やトークなどからの影響もありそうです。 いずれにせよ一種の若者言葉や ネットスラング のような扱いを受けることもあります。
近い言葉として、定番 のデッキ構成やカード類を 板 と呼んだりします。 鉄板 の板ですね。 また構成やカード類の強さをあらわす ティア の上位となる ティア1とかSティアみたいに呼ぶこともあります。
「OIする」「丸井する」 の場合は…
ちなみにまだクレジットカードやフリーローンのような金融サービスが若者、とくに学生らにあまり広まっていなかった時代、アルバイト学生などでも気軽に分割払い (ひと昔前は月賦とか呼ばれていましたが) ができるお店として人気を集めていた新興百貨店 「丸井」(OIOI) の名をもじる形で、洋服や家電製品などを分割で購入することを 「OIする」 とか 「丸井する」 と呼ぶこともありました。
いわゆる月賦百貨店はそれ以外にもありましたが、昭和 の時代にあってアパレルや ファッション 全般に力を入れ、東京の 中野 や新宿などに大型店舗を展開したおしゃれな 雰囲気 を持つ丸井は、当時は若者を中心にとても人気がありました。 発行するカードから 「赤いカードの丸井」 とも呼ばれ、いわゆる 「クレジット・カード」 という言葉を日本で最初に使ったのもこの丸井でした (1960年1月/ 現在のエポスカード)。 ちなみの蛇足で、筆者 が生まれてはじめて分割払いしたのも、最初の ビデオデッキ を購入したのもこの丸井でした。 アニメ 「ダーティペア」(1985年) をどうしても手元に残したかったんです…。





