離れた者同士、お家で疑似ライブ! …「同時再生」
「同時再生」 とは、複数の動画や音楽などを同時に再生することですが、おたく や 腐女子 の世界では、主に ネット を通じて動画や音楽データを利用した楽しみ方のひとつとして行われるものです。
例えば アニメ や映画、アイドルや声優のライブやコンサートなどの ビデオ や DVD、ブルーレイ、CD などを、それぞれが自宅など離れた場所にいながら時刻を決めて一斉に同時再生・視聴し、疑似的 な リアルタイム性 を仲間同士で 共有 しながら楽しんだりします。
動画や音楽CDのネットを通じた楽しみ方における 「同時再生」
通常は時刻や再生する作品をネットで 告知 したり参加者を募ったりするだけでなく、チャット などに感想や 実況 を書き込むなどして、盛り上がった気分や感動を分かち合うような形になります。
これはアニメなどのテレビ放送される作品は、地域によって放映される日が遅れたり放送そのものがなかったりもしますし、個人的な都合で放送日にリアルタイムで見ることができない人もいますから、仲の良い友人などで示し合わせ、一緒に視聴することで盛り上がろうとの目的で始められたものです。
筆者 のいた 同人サークル はアニメ 「セーラームーン」 のサークルだったのですが、元々は パソ通 での集まりから始まっていて、参加者は北海道から九州まで全国に散らばっていました。 当時セーラームーンの放映はテレビ朝日系列で土曜夜7時からでしたが、地域差や仕事の問題もあり、同時に見ることが難しい現実がありました。 幸い放送が週末ということもあり、番組を録画してテレホーダイ (夜11時以降になると電話代が安くなる定額制のサービス) の時間帯 (テレホタイム) になるとこの同時再生を ニフティ のチャットサービスなどを使って行ったりしていました。
またこうした視聴方法はネットのない時代から行われており、ライブやコンサートの 現場 に行けない中高生などが、それぞれの部屋で同じ音楽CDを再生して長電話で会話しながら楽しむといった聞き方をしていたケースはそれなりにありました (当時そういう知人もいましたし)。 その後 mixi などの SNS が広がる中、同じアーティストのファンなどが共通の体験を作る意味で行っていたケースはありました。 やはり同じくらいの 熱量 のファンと一緒に観たり聴いたりすると、普段とは違う高まりがあるものです。
2000年代以降は、過去に行われたライブやスポーツの試合などを店舗や映画館などで上映して楽しむといった時間差ライブビューイングなども行われるようになっています。 これも仲間や同じ好みの人たちと楽しみや喜びを共有したいという 需要 が高いからでしょう。
動画の制作形式にも 「同時再生」 が
一方、同時再生という言葉にはこの他、動画サイト において発表・公開される動画の一つの形式や ジャンル を指す言葉としても良く使われます。 1つの画面中に2つもしくはそれ以上の動画を同時に再生して作った動画で、こうしたものは 「同時再生動画」 とも呼びます。