イケてる顔面を持って生まれたらそれだけで人生薔薇色? 「イケメン」
「イケメン」 とは、「イケてる顔面」、すなわち 「容姿端麗」「美男子」 といったような意味の言葉です。 元々は ゲイ の人たちが魅力的な顔を持つ男性に対して使っていたある種の業界用語、スラングで、後に芸能人らがテレビ番組などで頻繁に使うようになり定着。 一般にも 「美男子」「美形」「かっこいい」 との意味で浸透しました。 対義語は 「ブサメン」(顔面が不細工)、あるいは 「逝けメン」「ブサ男」 などになります。
現在は、若者言葉から生じたごく普通の日常用語と呼んで差し支えないでしょう。
なお、世間でイケメン扱いされており、かつパッと見もちょっとイケメンっぽいけれど、よく見たら顔の造作それ自体は大したことがない、髪型や服装や全体のムードで何となくイケメンっぽく扱われているだけだ、などといった微妙な人を指す場合には、雰囲気イケメン と呼んだりします。
「イケメン」 の独特な使い方…自虐表現として
イケメンの使い方としては、女性や男性が、「かっこいい男性」 を指して単なる形容詞として使うケースがもちろん多いのですが、それ以外にも、「自分とは異なる容姿の優れた男性」 に対し、男性が 自虐的、ネガティブ な ニュアンス を持ってことさらに使う場合もあります。 こうした使い方は、とくに ネット の一部の 掲示板 などで顕著です。
例えば代表的な ネットスラング に、※ただしイケメンに限る (※ただイケ) というのがありますが、これは 「同じ事をしても許されたり評価されるのはイケメンだからで、俺がやってもダメだ」「どれだけ頑張って 脱オタク しても、素材が悪いから無理」 との、強い自虐のニュアンスがあります。
さらに一歩進むと、別にそれほどイケメンではない普通の容姿の人 (フツメン)、さらには一般的に見てあまり美形でもない男性をも、イケメンと表現するケースも増えることに。 これは、相手をイケメンではなく普通の容姿の人と定義した場合に、それに対して貧しい異性関係、対人関係しか持ってない男性が、「自分は普通以下、平均以下なのだ」 との現状認識を求められることにもなるからで、相手をイケメンと呼び 「自分とは違う人、自分を含めた平均値より上位の人」 だと定義することで、ある種の精神的なガード、自己保身を図る気持ちの発露なのかも知れません。
イケメンに負けるのは仕方ないが、平均に負けるのはプライドが許さないというわけです (別にイケメンをよく使う男性全員が、そうした考えを持っているわけではなく、単なるシャレとしての自虐もあるのですが)。