中途半端な略し方でぞんざいな扱いを…「イミフ」
「イミフ」 とは、「意味不明」 という意味の言葉です。
言葉の使い所としては、難しくて理解できない、事情を飲み込めないといったプレーンな意味で使うケースは稀で、ほとんどの場合は、自分以外の他人が起こした 「理解できない、理解したくもない」 ような言動を批判的、あるいは半ば呆れながらも賞賛する目的で指したり、自分がやったことがとんでもない事態を招き、「その事実を受け入れたくない、信じたくない」 といった場合や、痛いところを突かれて反論できず、それをごまかすためにも使います。
いわゆる若者言葉には、「侮蔑と同時に褒める」「批判すると同時に評価する」 といった、本来は矛盾・二律背反する意味を同時に持つ言葉がたくさんあります。 例えば 「ヤバイ」 などは、「危ない、近寄りたくない、最低だ」 といった意味と同時に、「想像を絶するほど素晴らしい」 といった意味でも使いますが、この 「イミフ」 も、時として賞賛・絶賛の意味で使う面白い言葉となっています。 こうした言葉の使い方は、英語の 「Fuck」 などにも見られますから、若者風にくだけた (しばしば下品な) 言葉には、色々な意味がつくということなのでしょう。
自分がやったことなのにほっかむり (ほおかぶり)
イミフを否定的な意味で使う場合は、単純に意味がわからない (わけわかめ) な時の使い方や、他人の意見に賛成できない場合に、「それはいやだ」「だめだ」 ではなく、「理解できない」 との遠まわしの表現で否定する使い方があります。
また自分の行動によって他人を怒らせたり、事態が悪化してしまったのを受け入れたくない場合、反論したくてもできずに逃げ出したい場合にもよく使います。 例えば学校のテストの点が悪くて親から 「これからは日曜はずっと家で勉強しなさい、でなきゃおこづかいはなし」 などと宣言された時に、「イミフ〜」 といった言い方になったりします。
肯定的なケースで使う場合は、意図がわからないけど面白いものとか、どうしてこうなった という状況を指す時、あるいは想像を超えるほど素晴らしい (呆れると同時に感心もする) ものを指すときにもこうした言葉をことさらに使う場合もあります。
2011年頃からはギャル語の一種のような扱いを受けていますが、ネット の 掲示板 (2ちゃんねる など) ではかねてからよく使われていた言葉で、古くて新しい若者言葉なのかも知れません。
なおネットの掲示板などでイミフと比較的近い使われ方をする言い回しに 「日本語でおk」 や 「ちょっと何いってるかわからないですね」「…などと意味不明の供述をしており」、前述した 「わけわかめ」 などもあります。