すごいけどすごくない? 多様な意味で使われる 「異能」
「異能」 とは、一般とは異なる特殊な能力や才能・特技があること、一般社会でさほど評価されたり歓迎されるようなものではないけれど、独特で飛びぬけたものを持っているとの意味で使われる言葉です。 天才 などと同様におおむね称賛の意味で使われることが多いものの、「すごいけど役に立たない」「余人をもって代えがたいが別に 需要 はない」 といった、ある種の 残念系・才能の無駄遣い として扱われることもあります。
ネット や ネタ として使われる言葉の中で近いものには鬼才とか逸材、孤高、変態 などがありますが、いずれも誉め言葉としてのニュアンスと同時に残念系や揶揄的な ニュアンス もあり、国語辞典的な本来の意味と異なっていることもあります。 前後の文脈で判断しないと、この言葉がそこで選ばれた意味や意図が分からない場合も多いかもしれません。
一般人からしたら超能力にしか見えない能力も
マンガ や アニメ、ラノベ といった創作物においては、常人にはあり得ない特殊な能力、人間を超えた超越的な力を異能と呼ぶこともあります。 代表的なのは超能力であり、その異称のような扱いをされるケースもあります。 超能力自体は架空の概念ではありますが、現実世界でも人間業とは思えない能力を持つ人は超能力者としか思えない部分もありますので、言葉として地続きでどちらの意味でも使われる言葉だと云っても良いかもしれません。
また エロ な分野では、逸材などと共に突き抜けた変態の代名詞として扱われることもあります。 極めてマニアック・マイナー な ジャンル で人知れず何十年も一つの テーマ や モチーフ にこだわって描き続ける 同人作家 などは、その作品が優れているかどうかとはさほど関係なく、やっぱり異能としか言いようがない部分はあります。
なお能力関係でネットでよく使われる言葉にはこの他、有能・多能・無能・低能 もあります。 これらも単に能力のあるなしを指すだけでなく、その場に応じて様々な意味やニュアンスを持っています。