同人用語の基礎知識

ジモティー

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人によって落ち着けたり、落ち着けなかったり 「ジモティー」

 「ジモティー」 とは、地元、あるいは地元民のことです。 すなわち自分が生まれ育ったなじみ深い場所、今現在住んでいる場所、そこの住民だとの意味となります。 自称・他称あるいは話し言葉や ネット などでの文章表現でもよく使われる若者言葉のひとつで、「ここはジモティーだから」「前方にジモティー発見」 といった言い回しとなります。

 言葉自体は2000年代初期、あるいはそれ以前から使われていたものです。 さらに古い言い回しに 「ジモピー」(じもP)「ジモッピー」 があり、また 「ジモティー」 も以前はより日本語的な 「ジモッティー」 といった言い回しの方がポピュラーでした。 これは、既存の日本語言葉の最後の文字を 「ピー」「P」 にしてかわいくしたり、「ッティー」(あるいは 「ッキー」「ッシー」 など母音の種類による) として何やら英語っぽくするのが流行ったことがあるからです。

 その後 「ピー」 や 「P」 は衰退し、「ッティー」 の促音部分 (ッ) が略され現在のような 「ジモティー」 となりますが、若者と同じ目線・等身大の言葉が使われる若者向けファッション雑誌などでも使われ、徐々に日本中に広がったもののようです。 これといった 元ネタ や言い出しっぺはいないようですが、若者に人気のあるタレントが 「ジモッティー」 やそれと同じ語尾変化ルールに基づく言葉を盛んに使っていたような記憶もうっすらあります (未確認です)。

 一方、「ジモティー」 の元ネタの元ネタとも云える 「ピー」「P」 については、1986年にデビューした人気アイドル酒井法子さんによって作られ大流行した 「のりピー語」 の影響であり、のりピー語で語尾がピーになった後、のりピー語の衰退に伴い英語風に変化して短くなったみたいな印象があります。 この種の語尾を変化させる言葉遊びは昔からありますから、どこがどう影響してどうなったのかを厳密に追跡するのは難しそうです。

 なお 「のりピー語」 は衰退したと云っても一定期間ごとにリバイバルしており、しかもそのリバイバルも 「流行する→流行りすぎてダサくなって廃れる→廃れたタイミングで逆にあえてダサさを笑う形で微流行→完全に廃れる→ 一周回って 逆に新鮮になって再流行」 という複雑なフローをたどって10年周期、あるいは酒井法子さん関連のニュースや懐古・レトロの盛り上がりなどがあるたびに繰り返されており、単なる一過性のタレント語録や流行語の を超え、すっかり 「新しい日本語の形」 として定着している感があります。

 その他派生したものとして、単純に短くした 「ジモ」 などの言い方もあります。 また 「地元愛」 などの地元部分を入れ替えた 「ジモティー愛」「ジモ愛」、同じようなルールによる 「ジモティー自慢」「ジモ経由」 などといった言い回しもよく見られます。 「ジモ」 部分を平仮名の 「じも」 とする場合もあります。

「ジモティー」 あれこれ

 ちなみに2011年には、この言葉を使ったアプリサービス 「ジモティー」(2011年2月16日設立、同年11月にサービス開始されたクラシファイド (Classifieds) サービス (無料もしくは安価で個人が短い広告を掲載できる掲示板サービス) も生まれています。 地元密着型で 「売ります・買います・あげます・ください」 といった物品の譲り渡しや求人・イベント告知・出会いなどの情報交換がされるもので、似たものは1995年11月に創刊された 「じゃマール」 に代表される個人情報誌のブームもありましたが、こちらのサービスはその系譜ではなく、もっぱら海外でのクラシファイドサービスの人気を受けた展開だったようです。

「地元愛♡満タン☆サマーライフ」「デュオトリオコレクション VOL.1 〜SUMMER VACATION〜」(2017年8月2日)
「地元愛♡満タン☆サマーライフ」
「デュオトリオコレクション VOL.1 〜SUMMER
VACATION〜」(2017年8月2日)

 なお おたく にやや近いところを無理やり付け加えると、人気 アニメ 「ラブライブ!サンシャイン!!」 の キャラクター 2人 (渡辺 曜 (CV.斉藤朱夏)・津島善子 (CV.小林愛香) が地元・作中舞台 である静岡県沼津市の素晴らしさと をコミカルに歌うイメージソング 「地元愛♡満タン☆サマーライフ」(じもたん・じもサマー/ 2017年8月2日発売) の存在があります。

 こちらは歌詞中に 「地元愛」 の読みとして 「じも愛」 は使われるもののジモティーが登場するわけではありませんが、CD では曲の最後、ライブでは間奏中にキャストの声優さんがどうぶつの森のハニワくん的な腕振りダンスをしながら ファン と一緒になって 「じもあい じもあい」(じも愛) とコールするのが お約束 となっています (じもあいダンスとも)。 ポップな曲とゆるい歌詞、ウクレレを使った明るい音色もあり、かわいいと評判なようです。

 言わずもがなで当たり前の話ですが、筆者 も埼玉のメットライフドームで行われたライブで何度か友人と一緒になってブレードを振りつつ叫んできました。

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(同人用語の基礎知識/ うっ!/ 2012年8月11日)
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