悪魔かと思ったら、ただのイタチでした…(><。) 「ノロイ現象」
「ノロイ現象」 とは、よくよく考えると大した相手ではないのに、その時の自分にとってはとても恐ろしく感じてしまう、相手を過剰に評価して委縮し ヒヨって しまうような状況を指す言葉です。
もっともわかりやすいのは、小学生の低学年の頃の中高学年生とか中学生とか、2つ3つ年上の上級生を見た時の恐怖でしょう。 後になって考えてみると、わずか2〜3歳上なだけの同じ子供です。 後に成長して中学後半や高校生あたりになって当時の自分が恐れていた相手の年齢になったり、年齢の差よりも個人差の方が影響が大きくなる年代となると、「何で以前の自分は先輩があんなに大きく、怖く感じたんだろうか」 と不思議に感じたりもします。 この場合、それ以上の 「大人」 は自分からはあまりに遠すぎて視界にはさほど入りませんし、まともな大人なら子供に手を上げないことを子供心ながらも何となく察していて、無意識に舐めている部分もあったりします。
子供のころの2〜3年差は身長なども大きく異なりますし、思春期前後となると男性ならひげが映える、声変わりする、女性なら胸がでてくるなど、ひどく大人びて見えてくるものです。 しかも子供時代は学校が世界の全てのような感覚にしばしばなりがちですし、校内や通学路、友達の兄姉など自分の身近に存在して常に影響を与えてくる相手なため、とても大きく怖く思うものなのでしょう。
元ネタは 「ガンバの冒険」 の 「ノロイ」(通常の3倍サイズ)
この言葉の 元ネタ や 「ノロイ」 の語源は、1975年に放映を開始した人気 アニメ 「ガンバの冒険」(全26話/ 東京ムービー/ 日本テレビ) の キャラ 「ノロイ」 に由来します。 主人公 であるガンバをはじめ7人 (7匹) のネズミたちに対峙する強大な敵・ラスボス であり、その正体は巨大なイタチです。
作中ではこれでもかとノロイやノロイが率いるイタチ軍団の強大さ、残忍さ、恐ろしさが強調されますが、とはいえしょせんはイタチであり (一応通常のイタチの3倍のサイズという 設定 ですが)、実際の野生動物は意外に強いし怖いという事実はさておき、人間が画面越しに絵面だけを見たら 「圧倒的な恐ろしさ」「恐怖や殺戮の象徴」 を受けるほどの強大な存在ではないでしょう。
戦いや力比べはあくまで相対的な話であり、ネズミにとっては捕食されてしまう一方の抗いがたい恐怖の象徴でも、人間にとっては近づくと逃げ出す、可愛らしい動物のひとつです。 しかし 「ガンバの冒険」 が名作として語り継がれる中、「でもノロイって結局イタチだよね」 が ネタ として ツッコミ される中で、「あれほど怖った相手は実はたいしたことがなかった」 をあらわす言葉として、一部で用いられるようになっています。
なお繰り返しになりますが、仮に標準サイズのイタチであっても、野生動物に近づくのは危険ですし、どこかで出会っても手を出すべきではありません。 またイタチは 「かまいたち」 などの妖怪扱いもされる畏怖されるべき存在でもあり、小さな子供は命の危険すら生じかねない相手です。 「ノロイ現象」 という言葉や 概念 は、はあくまでネタやシャレとしての比喩表現であり、舐めてかかるのはやめましょう。