見かけ倒しでシャバいやっちゃのぉ〜 「シャバい」
「シャバい」 とは、根性 がないやつ、ビビリ、ヘタレ、姑息、臆病者といった意味の言葉です。 そうした傾向を持つ人は 「シャバ僧」(しゃばぞう/ シャバい小僧) と呼びます。 単にヘタレなだけでなく、口先だけで実力が伴わない奴、卑怯者といった ニュアンス が含まれる場合もあります。
シャバとは仏教用語の 「娑婆」 のことで、犯罪を起こして刑務所に服役した受刑者が、塀の外の一般社会を娑婆と呼ぶことから、「見かけは不良だが、中身はおとなしい 一般人 のような軟弱な奴」「見かけ倒しの イキり」 という意味になります。 対義語は 「根性者」 ですが、男 (漢)、危ない奴、おっかねえ奴、キチガイ、化けもの、バリバリといった云い方がされることもあります。
言葉自体は1980年代前後に一部地域で使われていたヤクザ・不良・ヤンキー言葉ですが、全国的な言葉として流行させた実質的、あるいはほぼ直接的な 元ネタ とも云えるのは、1983年から2003年まで連載され実写版映画も大ヒットした マンガ 「ビー・バップ・ハイスクール」(きうちかずひろ/ 講談社/ 週刊ヤングマガジン) の作中表現です。
実写映画版、城東のテルのセリフが耳から離れない…
この作品では、様々な不良・ヤンキー言葉が使われていますが、中でもこの 「シャバい」 や 「シャバ僧」(侮蔑の意味でシャバ僧様とも) はちょくちょく使われていました。 とりわけ作品初期の名敵役である城東のテル (藤本輝男) が、加藤浩志と並ぶ一方の 主人公 中間徹との因縁の争いの中で使っていたのは印象的で、作品の人気とともに不良やヤンキーだけでなく一般の 読者 までが真似て使うこととなりました。
なお原作であるマンガや アニメ も面白いですが、実写映画版は出色のできで、なかでもテルを演じた白井光浩さんの名演技や独特なセリフのイントネーション (なぁ〜かぁ〜まぁ〜、映画面白かったぁ〜↑?) は耳に残って仕方がないほどのものでした。 一部の 掲示板 などでは 露悪的 にヤンキー言葉を使うこともあり、作品終了後になっても人気は衰えず、ネット 時代になっても往年の名作の語り草となっています。
同じような使い方をする言葉にはこの他、「チキる」 や 「ヒヨる」「イモ引き」 などもあります。 いずれも対戦型の ゲーム などで、相手を 煽った り揶揄する時に使われたりします。