根性なし、ヘタレ野郎… チキンで 「チキる」
「チキる」 とは、チキンになること、すなわち怖気づいて腰が引けたり、ビビッて尻込み、逃げ腰になることです。 一般でも使われることがある言い回しですが、とりわけ対戦型の ゲーム などで、対戦相手や一方のプレイヤーに対する 煽り・野次として使われることが多いでしょう。 同じような意味の言い回しに 「ビビって る」「ヒヨる」「シャバい」「イモ引き」 があります。
一方で、この言葉と関係があるのかないのか、コンビニ大手 「ファミリーマート」(ファミマ) の人気商品 「ファミチキ」 を下校途中に買い食いすることをチキると呼ぶこともあります。
アメリカの若者言葉 「チキン」「チキン野郎」 から日本語動詞化
言葉の成り立ち自体は腰抜けや臆病者、ヘタレ を揶揄する 「チキン」「チキン野郎」 を動詞化したもので、元々はアメリカなどで同じ意味で使われる 「Chicken」 が日本語でもそのまま使われるようになったものです。 チキンがこうした意味に使われるのは、人が恐怖を感じた時に皮膚表面に生じる鳥肌 (さぶいぼ、肌のブツブツ) が羽毛をむしった鳥の肌に例えられたものだったり、鳥特有の周囲を警戒してキョロキョロと見渡している様などが臆病に見えるなどがあります。
相手を挑発し蔑む若者のスラングであり、アメリカへ訪れても本物を聞く機会はあまりありませんが、海外ユーザーが集まる ネトゲ などではわりと見かける文字列ですし、若者向けのハリウッド映画などでも、「Fuck」(いわゆる Four-letter word) とあわせ、相手を罵倒する言葉としてよく見かけます。 またその際、チキン野郎などと口でしゃべるのではなく、両手首をわきの下で丸め、胸を突き出して首を前後に素早く動かしつつ、「コケッコッコッコッコ」 などとニワトリの真似をしてジェスチャーで相手を侮辱することもあります。
派生した言葉として、「チキンレース」 があります。 おおむね1対1で競い合う 「度胸試し」 の危険なレースを指し、例えば崖や壁などに向かって車やバイクを全力で走らせ、先にブレーキをかけた方が負け (でも止まりきれずに死んだ間抜けも負け)、みたいなものとなります。