俺の人生詰んだ…いわゆるひとつのチェックメイト
将棋やチェスで詰んだ… |
「詰んだ」「詰み」 とは、「もはや全てが終わった」「あらゆる望みが絶たれた」「後は死あるのみ」「勝負が決まった」「試合終了」「ゲームオーバー」「ジ・エンド」 などといった意味の言葉です。 「これ詰んだ」「これは詰んだかも知れんね」「人生詰んだ」 などとも言います。 読みは 「つんだ」 です。
おたく の世界や ネット などでも良く使われる言葉ですが、意味や使いどころは一般的に使われる 「詰み」 などと同じで、本来は将棋やチェスなどで 「負けを回避できなくなった」「必敗の状態になった」 ことを指します。
例えば相手から王手、チェックメイト (相手に取られたら負けてしまう 「王将」 や 「キング」 などの駒が、このままでは取られてしまう手) を打たれ、自分の番が回ってきたけれどそれを防ぐ手立てがない、どんな手を打っても回避できなくなった状態となります。
もちろんその状態になったからと云っても必ずしも相手が最善手を打ち王将を取るとは限らないのですが (とりわけ王手や王将を取られるまでの打ち回数にまだ幅がある場合、相手の単純ミスもありうる)、そうした奇跡の逆転は起こることが極めて少なく、通常は詰まれたとわかった時点で王将を取られて負けが確定する前にギブアップ、「参りました」 を宣言することになります。
なお純粋な将棋用語の扱いとしては、ごく大雑把に云って 「王手」「詰めろ」(一手すき)「必至」(必死)「詰み」 の順で、より勝負がはっきりした状態となります。 詰み以外には何らかの回避手段がありますが、詰みは文字通りもう終わりという状態になります。
戦国時代、戦 (いくさ) の最終局面としての 「詰み」
幾重もの防御陣によって守られた城の本丸 |
なお、こうしたゲームで 「詰み」 が使われるのは、詰みに緊迫した最終局面という意味があり、戦国時代の戦の際に、こうした言葉が軍事用語としてもしばしば使われていたことに関係します。
例えばお城で大将が陣取る本丸は詰めの城などと呼ばれますし、要衝や重要な配置について守ること、緊急事態に即応するために関係者が集まる場所なども詰めると呼びます (後詰、詰所など)。 つまり 「詰める場所」=「重要な場所」=「そこを取られたら勝負が決まる」 というわけです。
将棋やチェスなどのチャトランガ系 (インドで生まれたボードゲームで、一説には戦争好きの王に戦争をやめさせるために、戦争をゲーム化した娯楽を与えるために作られたとされるもの) のボードゲームは、戦争を模したゲームですから、言葉としての連続性があるのですね。
ちなみに似たような最終局面を表す言葉に 「大詰め」(おおづめ) というのがありますが、こちらは歌舞伎の世界で最後の幕 (演劇の最後の一幕、終幕) を指す言葉です。 ただし 「詰め」 に比べると、「最終段階だけれど、まだどちらに転ぶか分からない」 という可能性がある ニュアンス として日常でも使われるようになっていますね。
「人生\(^o^)/オワタ」「もうだめぽ」 など、「詰んだ」 の類似表現は数知れず…
ネットで 「詰んだ」 などと同じニュアンスの言葉として良く使われる言葉には、人生\(^o^)/オワタ、これはだめかもわからんね、もうだめぽ、すでに死んでいる などとというのもあります。
ゲーム関連では、麻雀から派生した 「リーチかけられた」 とか、パターン入った、死亡フラグが立った などと呼び方をする場合もあります。 また特定条件を発生させなければ先に進めない状態になったのに、その手立てがない、行き詰まった、なんて意味で、「詰み」 を使う場合もあります。 例えば敵 ボス を倒すのには特定の武器による攻撃が必要なのに、その武器を 装備 可能な キャラ がもういない…なんて状態です。
自分のキャラの レベル が低すぎて、どうやってもクリア不可能になった、などという場合にも使われます。
なお漢字違いの 積む・積み といった書き方の場合は、プラモデルや書籍、ゲームソフト類を買っただけで開梱せず、中身も見ずに部屋に積んでしまうことを指します。