ヘイヘイ、相手ビビってるよ〜「ヒヨる」
「ヒヨる」 とは、「日和見ってる」、つまり過剰に相手の様子や出方を伺いながら、ビビって 腰が引けている状態、積極的に打って出ることができず、弱気で無難、消極的な戦いをしている状態、あるいは 「ヘタレ だ」「根性 がないやつ」…などといった意味の言葉です。
1990年代、格闘ゲーム大ブームの中で…
1991年以降、カプコンの対戦型格闘ゲーム 「Street Fighter II」(ストリートファイターII/ スト) が、アーケード版、およびスーパーファミコン版ともに空前の大ヒット。 1990年代に大きな格闘ゲームブームが起こります。
その際、プレイヤー の戦い方のスタイルや姿勢、その結果生じた状態や結果などを表わす形容詞などが多数生みだされました。 これもその中の一つで、直接的にはプレイ中に ゲーム の キャラクター が操作不能となる ピヨる のアレンジのような形でその後登場、語感が良いので広まったものなのでしょう。
主な使い方としては、弱気な対戦相手やプレイヤーを揶揄し、挑発したり 煽る ような使い方 (「あら〜何ヒヨってんの〜?」「ヒヨってんじゃね〜よ〜」 などとはやし立てる) と、自分が自省・自虐的 に使うケース (「ヒヨってるうちに反撃を喰らいました」「勝てる対戦をヒヨったせいで逃した」 など) の両方があります。
ゲームとは云え対戦ゲームは勝負事でもあり、つい熱くなりがちです。 煽られた方は頭に血が上り冷静な判断ができなくなってしまうケースもありますし、逆に不甲斐ない負け方をした方も 「なんであの時あと一歩前に出なかったのか」 との自らの 芋引き (腰が引けた状態から転じて、腰抜けの意味) のくやしさを後々まで感じるものです。 日常生活でも使いやすい言い回しでもあり、以降はゲームの世界以外でも使われ、ある種の若者言葉としてすっかり定着することとなりました。
なお同じような使い方をする言葉に 「チキる」 や 「シャバい」 もあります。